2026年6月1日(月)

Wedge REPORT

2026年6月1日

 「日本の農業とハワイの農業には共通点が多い」

ハワイの農業は広大な大地でなされるイメージだが、昨今の実情は異なる(THE COLLEGE OF TROPICAL AGRICULTURE AND HUMAN RESILIENCE AT THE UNIVERSITY OF HAWAII AT )

 筆者が2026年3月、ハワイ大学マノア校の熱帯農業・人間回復力(レジリエンス)学部長のパーウインダー・グレワルさんを訪問した際にかけられた言葉である。

 面会時に筆者は日本の農家の平均年齢が約70歳と高く、担い手不足が深刻であること、また、食料自給率も低いので、最近は大型機械だけでなく、小型の機器や衛星画像システム、記帳用アプリなどを使ったスマート農業などで効率化を進めていると説明していた。グレワルさんによると、ハワイの農家も平均年齢が高く、自給率が低いなど、共通点が多いというのだ。

 コロナ禍が明け、日本は「観光立国」を掲げ、その実現に向けて本格的に動き始めている。多くの外国人が訪れ、日本の多様な魅力に触れてくれることは大いに歓迎すべきことである。観光需要の拡大に伴い、サービス産業をはじめとする関連分野の需要は今後さらに高まっていくだろう。

 しかし、足もとでは、農業をはじめとする一次産業の先細りは続くばかりである。日本独自の寿司、ラーメンや天ぷらなど世界に誇る「和食」を求める観光客が多いのに、提供される食材は外国産ということも少なくない。

 観光誘致によって経済成長したとしても、一次産業を疎かにする国に持続的な未来はない。これは、同じく海に囲まれ、世界有数の観光地として知られるハワイの現状からも読み取れる。今回ハワイを訪れ、そこで目にした農業の姿は、日本農業の将来像を暗示しているのではないかと強く感じた。その理由について、現地で得た知見をもとに述べていきたい。


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