2026年7月1日(水)

商いのレッスン

2026年7月1日

◆今日のお悩み
新卒採用が年々早まり、競合他社に遅れまいとインターンシップや早期選考に力を入れています。早く学生と接点を持つことは大切だとわかっていますが、十分に相互理解が深まらないまま内定を出し、内定辞退や入社後のミスマッチも起きています。人手不足の中、青田買いは本当に必要なのでしょうか。
(Zoey106/gettyimages)

 6月1日。採用担当者は、選考開始に合わせて面接の日程を確認し、学生に送る案内文を整えている。ところが、その日に届く数字は、採用の現実を突きつける。

 採用・就職支援サービス会社、キャリタスの調査によると、2027年度卒学生の6月1日時点の内定率は8割を超えているという。制度上は採用選考が始まる日であっても、実態としては、多くの学生がすでに内定を手にしているのである。

 就職活動は、もはや「解禁日」から始まるものではない。インターンシップ、早期説明会、早期選考、内々定と、企業は少しでも早く学生に接触し、他社に先んじようとする。学生もまた、周囲に遅れまいと早く動き、早く安心を得ようとする。

 企業は「採れなくなる不安」に追われている。学生は「取り残される不安」に追われている。双方が安心を求めて急いでいるはずなのに、その急ぎ足の先に、本当に良い出会いは生まれているのだろうか。

 もちろん、早く動くこと自体が悪いわけではない。人手不足が深刻化する中、企業が学生と早く接点を持つことには意味がある。学生にとっても、早くから社会や仕事を知ることは大切だ。

 問題は、早く採ることそのものではない。会社の中身を十分に見せないまま、学生を早く囲い込もうとすることにある。青田買いの問題は、青いうちに採ることではない。何の畑で、どう育てるのかを示さないまま、刈り取ろうとすることにある。


新着記事

»もっと見る