「ウナギ豊漁」とのニュースをテレビで目にする。「FNNプライムオンライン」は「ウナギが「土用の丑の日」前に異例の安値」、「テレ朝NEWS」は「丑の日前にウナギ値下げ続々 どこまで安く」と題し、いずれもウナギの稚魚の「記録的な豊漁」「10年ぶりの大豊漁」であることがその理由と報じている。
ウナギは完全養殖の技術が確立されておらず、ほぼ全てが採捕された稚魚から育てられて出荷されている。スーパーにあるウナギは養殖であることがほとんどで、稚魚採捕量が養殖ウナギの出荷量に直結する。
しかし、日本国内でのウナギ採捕量は基本的に低空飛行となっている。農林水産省および水産庁のデータによると、かつては200トンを超えていた稚ウナギ(シラスウナギ)の採捕量は、2019年には史上最低の3.7トン、23年も5.7トンと低迷している。
「豊漁」と言われた昨年18トン、今年は10トンとやや持ち直しているが、あくまで近年のトレンドと比べればやや多い程度で、過去の状況からは程遠い。天然ウナギに至っては、過去3000トンを超えていたものが、稚ウナギと同様のトレンドを辿り、現在は54トンと98%減少している。
価格押し下げ圧力の一つとなっているのは、稚ウナギの取引価格の下落や中国からの輸入ウナギの増加である。稚ウナギ価格の下落は、昨年期に池入れされ成長したウナギの在庫量が多く、稚ウナギに対する需要が弱かったことが一因とされる(水産庁(2026.7)、4頁)。中国について、財務省貿易統計によると、26年の中国からの加工ウナギの輸入量はこれまでに比べて増加しており、単価も25年2月にキロ2700円であったものが、26年5月には1898円に値下がりしている。
ただ、問題なのは、この中国からのウナギが東アジアのウナギに関する地域的な合意事項に反している疑いが濃厚である点である。


