2026年7月24日(金)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年7月24日

台湾発香港経由稚ウナギ密輸三角貿易

 ニホンウナギについては、稚ウナギが養殖池に池入れされる11月から3月まで輸出を禁止している台湾の稚ウナギが香港を経由して日本に再輸出されるという「稚ウナギ密輸三角貿易」の疑惑が消えない。

 日本国内で流通する国産ウナギの蒲焼きは、ほとんどがニホンウナギで異種ウナギは非常に少ないと考えられている。というのも、日本の小売店で販売されていたウナギ蒲焼き51サンプルをDNA検査したところ、全てニホンウナギだったとの研究結果が得られているからである(Shiraishi, Han, and Kaifu, 2025)。

 国産のウナギ蒲焼きのほとんどはニホンウナギの稚魚から育てられていることになる。その一方、国内産の稚ウナギだけでは国内の養殖池を満たすことができないことがほとんどであるため、相当量を外国から輸入している。

(注)漁期は前年11月~翌年5月(出所)水産庁(2026.7)「ウナギをめぐる状況と対策について」4頁 写真を拡大

 その稚ウナギの輸入の大部分は、香港由来である。24年の稚ウナギ輸入12.5トンのうちの72%である9トン、25年の輸入量5.3トンのうち56%を占める3トンが香港からのものであることが財務省貿易統計からわかる。しかし領域が極めて狭い香港の河川にこれほど大量のニホンウナギが遡上するとは考えられず、香港は単なる中継貿易地で、もともと他国で採捕された稚ウナギを日本に再輸出していると考えられる。

 他方、香港政庁の統計にある他国原産でニホンウナギと考えられるウナギ稚魚の香港への輸入量と、香港と日本の統計にある香港から日本への稚ウナギ輸入量を比べると、後者の量の方が多い年が多数だ。香港の統計に出てくるニホンウナギと思われる稚魚(日本原産とされるものを除く)の全量が香港から日本へ輸入されたとしても、辻褄が合わない。

 香港から日本へ輸出される稚ウナギの相当量は台湾から香港に一旦密輸されたものが、香港から日本に再輸出されているものと考えられている。このような「稚ウナギ密輸三角貿易」は関係者の間では広く知られているが、いまだ是正措置が十分に取られていない。


新着記事

»もっと見る