魚の資源が減って漁獲量が減り続けています。その数字は、すでに注意から警報クラスになっていますが、社会には正しくその重大なリスクが伝わっているとはとても言えません。
2025年の日本の漁業生産量は、同じ形で統計を取り始めた1956年から比較して、過去最低を更新しています。数量は358万トンで前年比1.6%減です。
ピークの84年と比較すると実に72.1%の減少です。同時期に世界の漁業生産量は、1億トンから2億トンに倍増し、毎年過去最高を更新しています。
海水温上昇や外国漁船が原因といわれることがよくあります。もちろん影響がないわけではないのですが、問題の本質はそこではありません。しかしながら、多くの国民がミスリードでそう信じ込まされています。
それではなぜ排他的経済水域(EEZ)が日本(447万平方キロメートル〈㎢〉)の半分しかないノルウェー(239万万㎢)に21年に追い越されたのでしょうか? ノルウェーの例を挙げると遠い国と思われるかもしれません。
それではなぜ、日本の10分の1(48万㎢)の隣国韓国(356万トン)と24年時点(日本365万トン)でほぼ並んでしまったのか?海水温上昇では理由が付きません。また、外国漁船が操業していない瀬戸内海で同じく減少傾向なのか?
科学的根拠をもとにすると、魚が減っていく理由を海水温上昇や外国漁船のせいにすると致命的な矛盾が出てきます。獲り切れない大きな漁獲枠を設定、はたまた漁獲枠自体がないのに、獲り過ぎていない、魚は減っていないといったミスリードが長年されてきました。これが科学的根拠に基づく水産資源管理制度を遅らせ、社会に大きな悪影響を与えています。
耳あたりのよいミスリードにこれ以上、きつい言い方になりますが、騙されてはいけないのです。
