2026年6月25日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年6月24日

 筆者には、マスコミからの問い合わせが増えています。サバ、サンマ・クロマグロ・流通他内容は様々ですが、世界と日本を比較した説明をデータで行うと皆さん非常に驚かれます。そして今までの理解は何だったのだろうか……ということになります。

 また筆者以外の方へインタビューすると、データという事実と異なる説明をする人たちがいることにも、ようやく気付き始められています。「これどう思いますか?」と書籍やWEB記事などに出てくる事実と異なる内容について、意見を求められることも増えています。

 しかしながら、スーパーに行けば魚が売られているし、外食に行けばメニューに魚が出ている。種類が減ったり、価格が上がったりという感覚はあっても「危機」までは感じられない。昨年(25年)は、サンマが獲れた、スルメイカも獲れたといった報道を耳にしたので漁が上向いたのではといったものが、一般的な感覚かもしれません。

 日本では、魚が消えて行く本当の理由が正しく伝えられていないことが少なくありません。このため、魚の水揚げなどに関しての一般的な感覚は、国際的にはかなりズレています。

 日本では過剰漁獲が50年前より広がったと答えたのは、調査国平均より大幅に低い43%(MSC調べ)とのことでした。明らかに過剰漁獲で魚が獲れなくなっているのは、残念ながら日本が世界の筆頭なのです。

誤解を生み易いグラフの形式変更 水産白書

 今年(26年)発行されている水産白書において、漁業生産量を示す形式が変わりました。従来の65年からではなく、2000年からの数量・金額に変更されています。この変更は、漁獲量が激減している現状をわかりにくくしており、危機感を感じさせなくなってしまう恐れがあります。

 77年に200海里漁業専管推移が設定され、その後の80年代にピークを迎えた日本の漁業生産量(漁業と養殖の合計)は、上のグラフのように富士山から転げ落ちるような形で減少を続けています。

 しかしながら、切り取られてしまった新たな形式では、富士山の頂上(漁業生産量のピーク)がわからなくなり、富士山の裾野の部分の表示では緩やかな減少に見えてしまいます。ものすごい量の水産資源をロスしているのですが、その実態がわからなくなってしまいます。

 さらに下のグラフは漁業生産額ですが、水産物の国際相場は、世界全体での需要の増加と、それに供給が追いついていないため上昇し続けています。このため、日本のサバの幼魚など、かつてはキロ100円もしなかった水産物でさえ、価格が大きく上昇しています。それで、水揚げ数量が減っても、単価上昇で水揚げ金額は逆に増加しています。

(水産白書 筆者編集) 写真を拡大

 実際には、資源管理制度の不備で水産資源が減って漁獲量が減っているのですが、国際相場の上昇で水揚げ金額が上昇しているため、実態がわからなくなってしまうことが大きなリスクとなっています。


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