2026年2月13日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月13日

 Economist誌1月17日号は、「イランのイスラム革命体制は、強硬な弾圧で反政府デモを乗り切ったように見えるが、革命防衛隊のクーデーターの可能性も排除されず、イラン情勢は引き続き危険な不確実性をはらんでいる」とする社説を掲載している。要旨は次の通り。

(AP/アフロ)

 反政府デモに対してハメネイ最高指導者は銃弾で応じたが、今や47年間続いた神権政治を終わらせるべき時だ。しかし、抗議デモでは専制政治を終わらせられないし、トランプ大統領が検討している米国による攻撃で神権政治を終わらせることが出来るだろうか。そして、イスラム革命体制が崩壊すれば何が起きるだろうか。

 イランの指導者達は、その脆弱さ故に無慈悲だ。彼等は、国民に対して暴力のみ振るっている。

 イラン国民は、悪化する経済、高騰する食品価格、失業、貧困の悪化に耐えなければならない。他方、2023年以来、イスラム革命体制はイスラエルによりレバノン、シリア、ガザの代理勢力が崩壊して面子を失い、昨年の12日間戦争では自分達の司令官と核施設を守れない事を露呈した。

 この先は、不確実性と危険をはらんでいる。抗議活動は表面上収まったが、何時再燃するか分からない。最悪の事態はイスラム革命体制が権力に居座り、イラン国民は忍耐を強いられることだが、同様に悪い事態は、イスラム革命体制が崩壊してイランが混乱することだ。

 イランが混乱すれば、クルド人、アゼルバイジャン人、バルチスタン人等の分離主義者達が蜂起するだろう。さらに、濃縮ウラン、核科学者、宗教過激派の存在もある。そのような事態に至る場合のリスクは深刻だ。

 他のシナリオとして革命防衛隊(IRGC)がハメネイ最高指導者を追放するかもしれない。また、IRGCの一部の勢力が国民のためと称して権力を掌握し、他の勢力に今回の虐殺の責任をなすりつけて正統性を獲得しようとするかもしれない。いずれにせよ、新たな指導部は、イランの核開発と弾道ミサイル計画に対する厳格な制約と引き換えに制裁を解除するよう米国と取引しようとするだろう。


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