2026年2月2日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月2日

 Economist誌1月17日号が、トランプによるベネズエラの石油利権の獲得は、同国の民主化無くしては失敗に終わる、と論ずる社説を掲載している。要旨は次の通り。

ベネズエラの暫定大統領デルシー・ロドリゲス。トランプは民主化への導けるのか(ロイター/アフロ)

 米軍がベネズエラの独裁者、マドゥロを拘束してから、何が変わったのか。腐敗した政権は残っており、野党は国民の支持にもかかわらず、政権奪取にはほど遠い状況だ。

 最大の変化は石油に関するものだ。数週間にわたる封鎖の後、国内の石油貯蔵施設はほぼ満杯となり、生産は抑制されていた。

 石油ドル収入を失ったベネズエラは、新たな通貨危機に直面していた。トランプが押し付けた取引により、石油は再び流通することになり、その収益は、まもなく米国が管理する条件付預託口座に流れ込むことになる。

 この取引により、米国はベネズエラの石油販売を支配することになった。ベネズエラ政権は収益の一部を受け取る見通しだが、国民は、その恩恵を受けるというトランプの言葉しか頼りにできない。

 大統領令は、この現金を「米国が保管するベネズエラ政府の主権財産であり、米国の財産ではない」と指定している。ルビオ国務長官が、ベネズエラに代わってその使途を決定する見通しだ。

 トランプがベネズエラの油田と世界市場との新たな流通経路をどのように運営するかが、同国の将来を大きく左右するだろう。

 透明性が極めて重要となる。不透明なシステムでは、1995年から2003年にかけてイラクで実施された国連の石油食糧交換プログラムを悩ませたような汚職が横行する恐れがある。

 新契約下で原油が販売される際、政権が利益を横領しようとする可能性もあり、ロシアや中国、そして他の石油取引を行う独裁国家も、汚職を助長するだろう。これを防ぐ一つの方法は、徹底的な透明性である。

 もう一つは、民間企業が自由に競争できるようにすることだ。トランプが中国への石油販売を許可すると述べたのは正しく、また、エクソンモービルのようにまだ投資の準備が整っていない企業を排除しようとする衝動も抑えるべきだ。


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