後者については、かねてから一部のイラン研究者が指摘しているシナリオである。他方、IRGCは、その存在の正統性をイスラム革命体制の護持に求めていることから、完全にイスラム革命体制と決別することは容易ではないと考えられる。しかし、ハメネイ最高指導者の後継者がIRGCのお飾りになる可能性は高い。
予想できないトランプの動き
こうしてイラン国内ではイスラム体制側が一時的に治安を回復しつつあるが、気になるのはトランプ大統領が引き続き中東に米軍力を集結させ続けていることである。1月下旬には空母リンカーンを核とする1個空母打撃部隊が域内に到着している。
トランプ大統領は、その行動が予測不可能な人物だから、軍事介入のタイミングを逃したと思われるのにもかかわらず、強引に軍事介入を行う恐れが否定できない。その場合、ハメネイ師他のイランの指導部に対する斬首作戦や抑圧の象徴であるIRGC関係施設がターゲットとなる可能性があろう。
もし、中東地域から米軍関係者家族の退避が始まったら要注意だ。そして、この社説も指摘するように、そうなった場合は、イラン側が弾道ミサイルでイスラエルと域内の米軍関係施設に報復攻撃を行うのは確実であり、中東が再び混乱することは必至だ。

