高校のクラブ活動では、野球部の甲子園出場に限らず、他の部活動でも全国大会などに出場が決まると、生徒の保護者や卒業生、関係者から寄付を募ることは昔からあった。しかし、CFのように広く支援を募るようになっても、甲子園のような全校単位で応援にいく費用を埋め合わせるには十分とはいえない。さらに、今般の事情が状況を苦しめる。
西日本新聞の8月22日付記事によると、学校側が手配する貸し切りバスは人件費や燃料費の高騰の影響を大きく受けているという。創成館(長崎)の関係者の話として、貸し切りバス1台当たりの費用は10年ほど前と比べて「2.5倍になった」と伝える。また、近年は酷暑対策として応援団用の氷や、バッテリー付きクーラーボックスなどの出費も増えているという。
各行は資金集めに苦慮
甲子園出場に地元が沸く一方、送り出す学校側は資金の捻出に苦慮していることがうかがえる。日本テレビも大会期間中に「news zero」で特集を組んだ。
番組で紹介されたのは、今夏の甲子園で4強入りした県立岐阜商業だ。CFで遠征費を募る同高は21日の準決勝に生徒ら約500人が14台のバスで甲子園に向かう予定で、約700万円を見積もっていた。
報道によれば、同高の場合は、応援に行く生徒の負担額は1回戦と2回戦は各8000円、3回戦と準々決勝は各1万円、準決勝は1万2000円となり、一人あたり4万8000円にのぼるという。
野球専門サイト「Full-Count(フルカウント)も8月17日、「深刻な資金難」「“がばい旋風”再来の一方で…学校が直面した現実」などの見出しとともに、県立の佐賀北のケースを紹介した。記事によれば、同高は交通費やバス代、食費などで1度の応援に総額で約1500万円が必要になるという。生徒の負担を支援によって軽減する予定だったが、思うように集まらず、1回戦は1人あたり8000円の負担が2回戦では1万5000円に引き上げられ、応援に来た生徒数も減少したという。
「news zero」の中では、秋田代表の県立金足農業は、昨年の1試合だけで約4900万円の費用が生じたことも紹介された。
「Yellz」のサイトでは、県立岐阜商の支援額が8月25日13時現在、すでに1700万円を超え、目標額(800万円)の2倍を上回った。ただ、佐賀北のケースは同時点で859万円と伸び悩んでいる。
