日本列島を猛暑が襲う。炎天下のスポーツ現場で熱中症のリスクが生じるのは、プレーヤーだけではなく、観客も同様だ。
こうした中、プロ野球・ロッテが2034年開業を目指して建て替えを予定する新球場は、検討していたドームを資材高騰による価格面などを理由に断念した。専門家も「理想はドーム化。しかし、収支面でハードルは高い」と指摘する。
夏の暑さが選手のパフォーマンスに影響しているとの指標も出る一方、ドーム型球場は建設費も維持コストもかさむというやむを得ない現状もある。
経営の持続性には野外型
「ZOZOマリンスタジアムで『氷』を使った熱中症対策を実施」。ロッテとオフィシャルスポンサー契約を締結している小久保製氷冷蔵は7月11日、新たに「熱中症対策パートナー」契約を締結したことを発表した。ロッテが7、8月にホーム開催する11試合を対象とし、氷のうをご持参いただいた観客に熱中症対策としてアイシング用の氷を無償提供する。
そんなZOZOマリンスタジアムを巡っては、所有する千葉市が5月、近隣の幕張メッセ駐車場に移転して建て替える方針を公表した。
千葉市の再整備基本構想案の骨子によれば、収容人数は現在の約3万人から3万3000人前後へ拡張することを検討し、コンサートなどの利用も想定する。概算事業費は約650億円で、市は財政負担を軽減するために千葉ロッテなど民間からの資金調達を見込む。財政負担の軽減を図りたい考えだ。日本経済新聞の今年5月22日の記事によれば、商業や娯楽、宿泊の多機能も備えた複合型スタジアムを想定する。
