日本サッカーは6月に行われる北中米ワールドカップ(W杯)の抽選会(48チームを4×12組で、グループリーグを振り分ける)で、ポット2となり、世界的に見てもトップオブトップの列強に続く”第二グループ”と呼べるところまで来た。しかしながら、23回目となるW杯で、これまで8カ国しか優勝していない事実を考えても、現在FIFAランキング18位のチームが世界一を勝ち取ることは、間違いなく困難なミッションになる。
森保一監督が優勝を目標に掲げる理由は、2050年までにW杯で優勝するという「JFA 2005年宣言」を成し遂げるための過程として、今からその基準でチーム作りをしていくことの重要性があることはもちろん、実際に優勝できる可能性を森保監督や選手が信じていることもある。その根底には決して過信ではないリアルな現状認識と戦略ビジョンがあった。
前回大会との違い
22年のカタールW杯で日本はドイツ、スペインという優勝経験のある強豪国を破ったが、当時の下馬評が示していた通り、10回戦って1、2回勝てるかどうかという相手だったことは森保監督も認めるところだ。「あのとき(カタール)は10回中1回の勝ち方をして、ということかなと思っていました。その確率を10%でも20%でも上げていく」作業だったと森保監督は振り返る。
抽選結果が出た時に、悲観的な声が強まった中で、森保監督は明らかな”格上”に勝つためのプランを模索した。いわゆる”戦術カタール”と言われる前半を守備的に粘り強く耐えて、後半で一気に攻守のギアを上げる戦い方は前回W杯のドイツ戦とスペイン戦の逆転勝利、さらには歴史的な勝利を挙げた親善試合のブラジル戦でも発揮されたところだ。
可能性はあるが、少ない勝機を大舞台で、いかに1試合、1試合の戦いで掴むかという意味で、カタールW杯の森保監督の手腕は見事だった。しかし、それだけではグループリーグを突破し、決勝トーナメントを勝ち抜いて、ファイナルまでたどり着くことはかなり難しい。まして北中米W杯からは大会の参加国が32から48に増えたことで、最大8試合を戦うレギュレーションになったのだから、なおさらのことだ。
