3月に開催される野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」は、代表メンバーの30選手のうち、ドジャースの大谷翔平選手ら19選手が発表された。第1回大会から20年を迎え、市場規模を大きくしてきたWBCは今後、大きな転換を迎える可能性がある。それがさらなる「大会の米国シフト」だ。
今大会は前回の準決勝からではなく、準々決勝から米国で実施される。日本国内の放映権も、メジャーリーグ機構(MLB)とMLB選手会による主催者が米動画配信大手「ネットフリックス」と高額で独占契約を締結した。将来的には、大会の開催時期をオールスターブレーク期間の7月へ移行することを検討しているとも報じられる。
ただ、オールスターブレーク期間に寄せる「米国シフト」によって、大会日程を1次ラウンドと準々決勝以降に分けるとなれば、日本代表も春に日本でも開催される1次ラウンドは「国内組」、オールスター期間中の米国開催は「メジャー組」中心にメンバー入れ替えを視野に入れた編成の可能性すら生じる。日本が第1回から、開催・運営も含めてコミットしてきた世界大会が「米国のエンタメ」に変わってしまう懸念も出てきている。
メジャーリーガーも続々と参戦
年が明けた1月16日、日本代表の井端弘和監督はWBCに出場する追加メンバーを発表した。
昨年12月26日に発表された最初の8選手には、前回の世界一メンバーでもある大谷翔平選手(ドジャース)、松井裕樹投手(パドレス)に加え、初出場となる菊池雄星投手(エンゼルス)と現役メジャー3選手が入っていたが、今回の追加メンバーでは、オリオールズからフリーエージェント(FA)になっている菅野智之投手を除いて、全員が日本のプロ野球(NPB)所属の選手だった。
残りの代表枠は11。現役メジャー組からは、ドジャースの山本由伸投手らが出場の意思を表明しており、今季からメジャーへ移籍した岡本和真選手(ブルージェイズ)、村上宗隆選手(ホワイトソックス)らを含めて最大7人が代表入りする可能性がある。
野球専門メディア「Full-Count(フルカウント)」の1月16日付記事によれば、井端監督は、ほかのメジャー組を発表できない事情について「出る意志は本人らから伝えられていますが、正式にMLB(所属チーム等)から返事が来ていません。なかなか発表できない状況ですけど、(返事が)返ってくるのを待っている状態です」と説明し、「(MLBから)もうちょっとまとめて(返答が)きてほしいなというのはありますけど」などと本音を漏らす場面もあったという。
つまり、メンバー編成の前提となる「ゴーサイン」を出すタイミングは、メジャーが主導権を握っている。
