2025年5月23日(金)

勝負の分かれ目

2025年4月30日

 2026年春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に関して、メジャーリーグの有力選手の動向が早くも活発になってきた。ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が米国代表の主将に就任することが発表され、17年、23年に続いて3大会連続出場するメッツのフランシスコ・リンドーア選手もプエルトリコ代表の主将に就任することが明らかになった。

WBC連覇を狙う野球日本代表だが、「グラウンド外」では課題も多い(UPI/アフロ)

 日本の大谷翔平選手、山本由伸、佐々木朗希の両投手が所属するドジャースのデーブ・ロバーツ監督も自軍の選手が代表に選出された場合は容認する姿勢を見せる。WBCは06年に第1回大会が開催され、当初は知名度も低く“低空飛行”でのスタートだったが、大会を重ねるにつれて盛り上がりが高まりを見せ、20年の節目を迎える第6回大会では現役メジャーの顔ぶれはさらに豪華になりそうだ。

 しかし、大会の収益規模も膨らむ中、貢献度で突出する日本サイドが受け取る報酬や大会運営への発言権は依然として高くない。日本球界にとっては、「グラウンド外」での存在感を高めるというもう一つの戦いが待っている。

調整が難しい中、続々と出場を表明

 開幕から打撃好調のジャッジ選手が4月14日、WBC開幕まで11カ月もある中で米国代表の主将になることが発表された。報道によれば、MLBネットワークの番組にリポート出演し、「この役目はすごく名誉なことだ」と語ったという。

 ジャッジ選手は22、24年にア・リーグMVPに輝き、17、22、24年にはリーグ本塁打王を獲得したメジャー屈指のスラッガーだ。

 米国は前回の23年大会で日本代表「侍ジャパン」と決勝を戦った相手。ジャッジ選手が代表入りすることで戦力アップはもちろん、ベースボールの世界的な市場規模の拡大を狙うメジャーにとっても最高のプロモーションとして期待が高まる。

 WBCは、メジャーリーグとメジャーリーグの選手会が共同で設立した「WBCインク」が主催する。大会は開幕前のオープン戦の時期に開催されるため、出場選手にとっては、その後のシーズンに向けた調整が難しくなるとの指摘がある。


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