メジャーリーグ(MLB)へ日本のトップ選手の移籍が後を絶たず、日本球界の「空洞化」を懸念する声がグランドレベルでは強まる一方、ビジネス市場においては今後、メジャーによる日本国内への「侵食」が加速しそうだ。ドジャースとカブスによる今季開幕戦となった「MLB Tokyo Series presented by Guggenheim(以下、東京シリーズ)」が18、19日、東京ドームで行われ、ドジャースの大谷翔平選手が第2戦で今季1号を放ち、第1戦ではチームメイトの山本由伸投手とカブス・今永昇太投手が史上初となる日本選手同士の開幕投手対決を演じた。
今季からドジャースへ移籍した佐々木朗希投手は第2戦で早くも“凱旋登板”が実現した。このシリーズのチケットは瞬く間に完売し、開幕前からグッズショップに長蛇の列ができるなど大きな話題を集め、テレビ中継も高視聴率をマーク。大盛況の裏で、メジャーは日本でのビジネス機会の拡大を目論む。
個人消費もスポンサー収入も莫大
「私たちは何度もここに戻ってくることになるだろう」
読売新聞の記事によれば、MLBの国際戦略担当者は、日本の野球熱の高さを踏まえ、今後も日本での試合開催を継続していく意向を示した。
東京シリーズのプラチナチケットを手にした2日間の観客数は、合わせて8万4732人。両チームが15、16日にそれぞれ阪神、巨人と行ったプレシーズンマッチを加えた全6試合では25万人以上が来場した。試合は地上波に加え、定額制の動画配信サービス「アマゾン・プライム・ビデオ」でも独占配信された。
この間の大谷選手ら日本選手や球団のシリーズ限定グッズなどの売れ行きも絶好調で、関連グッズを製造・販売するファナティクス・ジャパン合同会社(東京都港区)は21日、記念グッズの売り上げが4000万ドル(約60億円)に達したと発表した。同一イベントの売り上げとしてはグループ史上最高額だという。