2025年3月31日(月)

勝負の分かれ目

2025年3月24日

 ドジャースは昨年の韓国開催では、ダルビッシュ有投手や松井裕樹投手が所属するパドレスと対戦した。日本からは続々と大物選手がメジャーへ移籍しており、今季も巨人のエースだった菅野智之投手がオリオールズへ移籍し、来季はヤクルトで三冠王を獲得した村上宗隆内野手の挑戦が見込まれる。

 こうした背景から、日本は今後も興行を打ちやすく、アメリカ国外での市場拡大を狙うメジャーにとって絶好の環境が整い、ドジャースや、他の日本選手が所属するチームも組み合わせることで、定期的な日本開催が実現する可能性は高そうだ。サンケイスポーツは早くも、再来年の27年にメジャーの公式戦が再び日本で開催されるプランが浮上し、ドジャースが有力候補に挙がっていると報じている。一方、スポーツニッポンは28年に再び開催される可能性を報じた。

日本人選手はメジャーの垂涎の的

 戦力面でも日本は「宝庫」となっている。スポーツニッポンによると、今永投手が来日時の会見で「カブスで過ごしている中で選手やスタッフから『この選手知っているか。このピッチャー、凄いな。この選手はいつアメリカに来る予定なんだ』という質問をたくさん受ける」と話したほか、産経新聞は、日本の球団関係者の話として、メジャーの駐日担当スカウトらによる視察が、新型コロナウイルス渦以前から倍増していると、ニーズの高まりを記事で指摘する。プロのトップ選手だけでなく、アスレチックスが東京・桐朋高校の森井翔太郎選手と契約金151万ドル(約2億3000万円)でマイナー契約を結ぶなど、逸材の発掘にも積極的だ。

 有望選手の供給源となり、ビジネス市場でも魅力的な日本だが、日本球界から見た“視界”は180度違う。トップ選手の流出を招き、メジャーは日本の12球団が設定している地域フランチャイズ(保護地域)を飛び越えて、ファンを拡大していく。

 フルカウントが紹介した「ジ・アスレチック」の記事では、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が日米関係について「(日本に)損害は加えたくない。それについては少し気をつけなければならない」と語ったというが、ルールに基づく選手の移籍も市場原理の中でのビジネス機会にも制限を加えることは現実的ではないだろう。

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