2026年1月18日(日)

スポーツ名著から読む現代史

2026年1月18日

 2026年が幕を開けた。今年は注目の国際大会が相次いで開かれるスポーツの年と言っていい。

 2月から冬季オリンピック(五輪)・パラリンピックがイタリア・ミラノを中心に開催され、3月には日本が連覇を目指す野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が行われる。さらに6月にはサッカーの世界一を決めるワールドカップ(W杯)が米国・メキシコ・カナダの16会場で開催され、秋には名古屋でアジア最大のスポーツの祭典、アジア競技大会が控えている。

日本の優勝で歓喜に包まれた前回のWBC。今大会は地上波では観られない(AP/アフロ)

 スポーツの国際大会はメディア、とりわけテレビの放映を通じてあまねく世界に広まってきた。日本では昨年、放送開始から100年の節目の年を迎え、ラジオ、テレビがスポーツ振興に果たしてきた役割、功績についてさまざまに報じられた。だが、1世紀を超えた今、地殻変動ともいうべき新しい動きが急速に広まってきた。

 インターネットの発展に伴い、さまざまな形で情報の伝達、拡散のツールが誕生し、テレビというメディアを置き去りにする傾向が顕著に表れるようになってきた。その象徴ともいえるのが3月に行われる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の放映問題である。

 大会を主催するワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBSI)から日本戦を含む全試合の独占配信権を獲得したのが米国の動画配信大手、Netflixだった。ネットの配信契約を結べば日本でもWBCの全試合を見ることができるが、テレビの生中継はなし。これまでのようにテレビの前で日本選手の活躍に一喜一憂していたファン層にはショックな出来事となった。

 こうした事態は果たしてWBCに限ったことなのだろうか。

第1回から支えた読売新聞も頭越し

 NetflixがWBCの日本独占配信決定を発表したのは昨年8月だった。「地上波テレビで試合を見ることができなくなる」という衝撃のニュースは、野球ファンだけではなく、多くの国民に驚きをもって受け止められた。

 大谷翔平らの活躍で日本が3大会ぶりに王座へ返り咲いた23年の第5回大会は、地上波テレビはテレビ朝日とTBSが放映、CS放送はJSPORTSが全試合を放送した。06年の第1回大会から日本側の受け皿として大会運営に協力してきた読売新聞社がWBCIと協議し、日本国内のテレビ局による放映を実現させてきた。しかし、読売新聞社によると今回は読売新聞社への事前連絡はなく、頭越しにWBCIとNetflixの間で放映権交渉が行われ決まったという。


新着記事

»もっと見る