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『スポーツルールはなぜ不公平か』(生島淳著、2003年、新潮選書)
2024/08/08 中島章隆日本人選手の活躍にわくパリ五輪だが、判定を巡り、疑問符が付くケースも少なくない。今回取り上げるのは、21年前に出版され話題となった『スポーツルールはなぜ不公平か』。五輪のたびに繰り返される「日本たたき」への反発から出版されたもののようだ。
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『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』 (森合正範著)
2024/05/08 中島章隆元世界王者、ルイス・ネリを逆転KOで防衛を果たした井上尚弥。その「強さ」をどう表現すべきか。敗れたボクサーの言葉から語ったのが『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』だ。戦いの興奮冷めやらぬ中で目を通しておきたい好著だ。
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『キャプテン!日本のスポーツ界を変えた男の全仕事』(川淵三郎著)
2024/03/01 中島章隆日本のスポーツ史のうえでも画期的な足跡を残してきたJリーグ。生みの親である元日本サッカー協会会長、川淵三郎がリーグの発足からバスケットボール協会の改革まで、足跡を回顧したのが『キャプテン!』だ。日本スポーツの現代史をたどってみたい。
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『素顔の野茂英雄』(鉄矢多美子著)
2023/12/02 中島章隆28年前、野茂英雄が大リーグに挑戦するまで、日本のプロ野球は「国際化」とは縁遠かった。野茂がなぜ日本での名声を捨て、挑んだのか。本人が説明しようとしないその謎をアマチュア時代の「対決」から解き明かすのが『素顔の野茂英雄』だ。
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『勝ちすぎた監督』(中村計著)
2023/10/07 中島章隆慶應義塾高校が連覇を狙った仙台育英高校を下した107年ぶりの優勝を見て、書き残しておかなければと思った一冊がある。04年から3年にわたり、夏の甲子園の主役として君臨した駒大苫小牧高校の栄光と挫折を克明に記録した『勝ちすぎた監督』だ。
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『砂まみれの名将 野村克也の1140日』(加藤弘士著、2022年、新潮社)
2023/07/28 中島章隆「ID野球」の生みの親で、多くの著作を残し、3年前に亡くなったプロ野球界きっての名将、野村克也。これまであまり語られることのなかった「空白の3年間」に光を当てた本が『砂まみれの名将 野村克也の1140日』だ。
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『永遠のPL学園』(柳川悠二著)
2023/05/27 中島章隆現代史の1頁を飾るまでになったPL学園野球部はなぜ廃部に追い込まれたのか。高校野球の戦後史の一断面に切り込んだ名著を紹介する。
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『栗山魂』(栗山英樹著)、『スカウト物語』(片岡宏雄著)ほか
2023/03/29 中島章隆WBCで3大会ぶりの優勝を果たした栗山英樹監督。「史上最強布陣」を率いた指揮官は、これまでの侍ジャパン監督とは異なり、野球エリートとは全く異なる道のりを歩んできた。「世界一」に上り詰めた背景を多くの著書から読み解いてみたい。
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『屈辱と歓喜と真実と』(石田雄太著)
2023/02/22 中島章隆ワールド・ベースボール・クラシックが3月9日開幕する。大リーグ機構と大リーグ選手会が共催して06年に始まった第1回はドタバタ続きだった。すでに「歴史」の一コマとなっているが、栗山ジャパンの行方を占う上でも、多くの教訓を読み取れる。
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『相撲、国技となる』(風見明著)
2023/01/06 中島章隆2023年の大相撲初場所が8日、初日を迎える。国民的関心の高い大相撲だが、相撲を日本の「国技」と規定した法律などがあるわけではない。では、なぜ「国技」と考える人が多いのか。
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『取材歴59年の記者が見たW杯「裏表」ヒストリー』 (牛木素吉郎著)
2022/11/28 中島章隆カタールで開かれているサッカーW杯は日本代表が躍進遂げる。世界中を熱狂させるW杯だが、その歴史を振り返るとき、日本は後進国に過ぎない。そんな中、今から半世紀以上前からW杯を現地で見続けてきた日本の新聞記者たちがいる。
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『名スカウトはなぜ死んだか』(六車護著)
2022/10/28 中島章隆今年はまれにみる「平穏ドラフト」と言っていい。だが、1965年以来、58回に及ぶ歴史を振り返ると、悲喜こもごも、さまざまなドラマが生まれてきた。今回取り上げるのは、悲劇の中でもとりわけ深刻な事件を扱った『名スカウトはなぜ死んだか』だ。
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『黒い輪』に見る近代スポーツ大会の病巣
2022/10/20 中島章隆まさに「異形」のまま東京五輪が幕を閉じた。「五輪優等生」として認められた日本だが、酷暑の中で行われた大会は「選手ファースト」でも「観客ファースト」でもない。こうしたオリンピックの病巣を知ることができるのが今回紹介する『黒い輪』だ。
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『嫌われた監督』『なんと言われようとオレ流さ』『勝負の方程式』『采配』
2022/09/28 中島章隆プロ野球中日ドラゴンズが近年、低迷している。そこで注目されるのがまばゆい成績を残しながら「嫌われ」退任した落合博満だ。自身が出した著書を読み比べながら、稀代の天才野球人の「魅力」と「謎」に迫ってみたい。
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『わかれは真ん中高め』(結踏一郎著)、『昭和十七年の夏 幻の甲子園』(早坂隆著)
2022/08/16 中島章隆新型コロナで中止となった一昨年、無観客だった昨年、大幅な選手入れ替えを強いられている今大会と異例の措置が続いている全国高校野球選手権大会。実は80年前にも異例づくしの甲子園大会があった。
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小出義雄著『小出監督の女性を活かす「人育て術」』、 『君ならできる』
2022/07/22 中島章隆米オレゴンで開かれている世界陸上選手権で、サニブラウンの決勝進出など、日本人選手の活躍が光るが、かつて世界トップにいた女性マラソンはアフリカ勢に歯が立たない。黄金時代を築いた名伯楽・小出義雄の指導方法と、言葉の数々を振り返ってみたい。
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『勝者も敗者もなく』(日本プロ野球選手会著)、『深層「空白の一日」』(坂井保之著)
2022/06/29 中島章隆プロ野球ファンの間にすっかり定着した感のある交流戦だが、その始まりは今から18年前、パ・リーグの消滅の危機と、それに抗議した労組・日本プロ野球選手会のストライキという重大事態が大きく影響していたことを記憶している人は少なくないだろう。
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『36歳のグリーンボーイ江夏豊』(高橋正嘉著)、『善と悪 江夏豊ラストメッセージ』(松永多佳倫著)
2022/05/23 中島章隆野球が日本に伝来して2022年は150年の節目の年となる。150年の長い時間をかけて、ついに米国でも頂点を極める選手を日本から輩出できた。ただ、日米野球交流を振り返るとき、一人の天才左腕投手の挑戦と挫折が正史から漏れかけていると思わずにい…
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スティーブ・ユーバンクス著『オーガスタ 知られざるマスターズの素顔』
2022/04/07 中島章隆男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントが開幕する。4大大会で一番歴史の浅いながら、「達人」を意味するマスターズの優勝者は、ゴルフ界最高峰の栄誉とされている。いかにして世界中のゴルファーがあこがれる最高峰の大会となったのか。
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イビチャ・オシム著『日本人よ!』、木村元彦著『オシムの言葉』
2022/03/23 中島章隆ロシア軍がウクライナに侵攻略した。「戦争とスポーツ」のテーマで思い浮かべたのは、1990年代の旧ユーゴスラビア紛争当時、サッカーのユーゴ代表監督として手腕を発揮したイビチャ・オシム氏だ。多くの名言・苦言から何をくみ取るべきか。探ってみたい。
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