2026年3月24日(火)

勝負の分かれ目

2026年3月24日

 最終的に野手は今季がメジャー移籍1年目の岡本和真選手(ブルージェイズ)、村上宗隆選手(ホワイトソックス)を含めて現役メジャー5人を招集できたが、合流時期は所属チームでのオープン戦などの兼ね合いでそろわなかった。投手では前回代表の佐々木朗希投手(ドジャース)や今永昇太投手(カブス)らのメンバー入りがならなかった。

 大会中も、メジャー組の起用法には、配慮が必要だった。野手はポジションを固定し、出場機会も確保された。全5試合を通じて岡本、村上両選手はともに打率・211だったが、2人とも先発を外れることはなかった。

過去には「試合に出られないなら、大会に出ない」発言も

 実は、春先に行われるWBCは、控え選手の扱いが難しいといわれる。特に野手の場合は、シーズンに向けたオープン戦に出場して調整を続けている時期に実戦機会を失うことになるからだ。

 筆者は過去、球界関係者から「ある選手の出場表明は、別のレギュラー候補選手が出場を辞退したことでかなった。試合に出られないなら、大会に出ないという意向だった」という舞台裏の話を聞いたことがある。

 所属球団に戻れば主力を担う選手をベンチに置くことは、代表チームの層を厚くできる一方で、控えに回る選手の犠牲を強いることになる。今回で言えば、昨季セ・リーグ首位打者と最高出塁率の小園海斗選手(広島)が消化試合となったチェコ戦の1試合のみの出場にとどまった。

 投手陣も日本が戦った5試合のうち、現役メジャーの山本由伸投手(ドジャース)、菊池雄星投手(エンゼルス)、菅野智之投手(ロッキーズ)がチェコ戦を除く4試合で先発を担い、日本の各球団ではエース級のメンバーは、先発の後を受ける「第2先発」へ回った。

 メジャー組を中心としたローテーションは実力的にも順当な采配といえる反面、救援を本職としていた投手の相次ぐ負傷離脱という不運によって、ブルペンへの負担は増大した。メジャー組が実力的には頼もしい戦力であることは間違いないが、臨機応変な選手起用の幅を狭める「もろ刃の剣」となった面は否めなかった。

日本開催により起きた時差

 時差調整の問題も浮き彫りになった。準々決勝進出をかけて争う1次ラウンドは4組に分けて実施されたが、開催地は米国2会場とプエルトリコ、日本(東京ドーム)だった。優勝したベネズエラが1次ラウンドからずっとマイアミで試合が組まれたのに対し、日本開催で準々決勝に進出した日本と韓国だけが長距離移動と時差調整の負担を強いられたことになる。

 日本開催は、興行面のメリットを生かすビジネス戦略の意味合いが大きい。主催者にとって、日本開催は150億円とも報じられるNetflix (ネットフリックス)の国内独占配信の放映権料だけでなく、日本のファンを当て込んだ入場料やグッズ収入、日本企業のスポンサー獲得の面からも「ドル箱」だ。


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