イラン情勢は、ハメネイ師の殺害という衝撃的な事件で動き始めたが、これに対するイランの作戦は湾岸などの親米国を攻撃してホルムズ海峡を人質に取るというものであった。以降は、和平交渉が進めば原油価格が下がり株価が上がる、反対に対立が厳しくなれば原油が上がり、株が下がるということの繰り返しとなっている。
一連の情勢の変化は、トータルで見れば混乱に他ならず、これを反映してトランプ政権への支持率は低下を続けている。その一方で、トランプ政権は宗教色を強調したり、激しい言葉を使ったり対応は迷走しているように見える。
一連の問題だが、全体像を整理するのは容易ではない。例えば、攻撃に至った当初の動機についても、以下などが複合していたことは推察できる。
・強いアメリカ、強い政権をアピールしたい
・イスラエル主導が先行して、アメリカが受け身となる事態は避けたい
・ベネズエラ超重質油やシェールの損益分岐点を超える原油価格は政権としては許容できる
けれども、ここまで決定的な関与に至った動機や計算については、計り知れないものがある。
事態を理解するために、ここでは一旦、政権の視点から事態を見てみることにしてみよう。もちろん、今述べたように、政権が攻撃を決断した背景には伺い知れないものがある。けれども、現在のアメリカの状況と政権の試行錯誤がどのようなものであるかを推し量るには、政権の視点から考えるという思考実験は有用であると思われる。
