2026年4月23日(木)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2026年4月23日

 そこへ湾岸情勢による急激なガソリン価格の上昇が上乗せされるとなれば、世論としては我慢しろというのが難しくなる。

責任は誰にあるのか

 一期目のトランプ政権を押し上げたのは、現状不満層であった。したがって、既存の権威に対する否定をしていれば、ある程度の民意はついてきた。これに、長女夫妻や歴代主席補佐官など、常識的な政治家や閣僚がいた中では、施策の逸脱は結果的に抑制された。

 けれども、二期目は違う。世論の期待は不満や破壊衝動ではなく、将来への不安などより具体的で正当なものに変わっている。けれども、政権は一期目以上に既存の秩序を壊すことで支持層は満足するとして、必要以上に極端な政策を繰り出している。イラン情勢はそのような行き違いが極大化した現象ということも言えるであろう。

 孤立主義からも、敬虔な禁欲主義からも、そしてインフレへの不満や不安からも、結果的には正反対のアウトプットを繰り出しては、世論はもう追随できなくなってきている。

 では、政治的膠着状態に陥っている米国の現状については、事態の責任は全て政権の側にあるのかというと、そうとは言えない。政権の背後にある学歴に恵まれなかった現状不満層の現状否定エネルギーを依然として畏怖し、迎合するか無視するしかないと決め込んでいる民主党や大手メディア、共和党の穏健派などにこそ、事態の責任はあるのではないか。

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