Foreign Affairs誌(web版)は、米国はイランの革命体制崩壊を目指しているが、空爆だけではこの体制は崩壊させられず、また、拙速な停戦合意は徒に抑圧的な体制を延命させるだけだとする論説を掲載している。要旨は次の通り
米国とイスラエルによる攻撃を受けたイランのテヘラン(ロイター/アフロ)
米国とイスラエルは、イランのイスラム革命47周年直後に大規模な攻撃を実施し、ハメネイ最高指導者を含む政治・軍事指導者達を殺害し、軍事インフラを破壊した。その結果、イスラム革命体制は大きな打撃を受け、権力の空白が生じている。トランプ大統領は空爆によって国内蜂起が起きる可能性に期待し、イラン国民に政府を「奪取しろ」と呼びかけた。
しかし、現実にはイスラム革命体制の残存勢力は依然として武装し、深く根を張っている。戦闘が終結したとしても、イスラム革命体制が何らかの形で存続する可能性が高い。ただし、それは1979年の革命以来でも最も弱体化した状態となるだろう。
長期的にはイランで大きな政治的な変化が起こる可能性はあるが、現在の米国とイスラエルの空爆だけでそれが実現する可能性は低い。戦争終結後、イランは不安定な移行期に入るが米国はイラン国内の有力な勢力との外交的な交渉を行わざるを得なくなるだろう。
しかし、イスラム革命体制の残存勢力が戦後交渉を独占する事態は避ける必要がある。そのため米国は戦後を見据え、対話可能な勢力を見極める戦略を準備すべきだが、現時点でトランプ政権に十分な計画がある兆候はない。体制が自然崩壊することや、国民が政権を倒すことに期待するだけでは不十分であり、軍事力と外交を組み合わせて、より包摂的で人道的な政治体制へと導く必要がある。
