このイランの搦め手からの反撃に対して米国は、イラン国内の治安体制を揺さぶろうと分離独立傾向の強いクルド人(人口の約10%)、アラブ人(約2%)、バルチスタン人(約2%)の蜂起を煽る作戦に出ようとしている。既にクルド反政府武装勢力に対して武器の供与を行っているという報道が出回っている。
しかし、少数民族の蜂起だけでは不十分なのでいずれ都市部での反政府暴動も画策するだろう。革命防衛隊を中心とするイランの治安体制を弱体化させてイスラム革命体制の崩壊を起こさせる作戦だ。
ただし、隣国イラクのフセイン体制が経済制裁、空爆では崩壊せず、最終的に地上戦で崩壊した先例に鑑み、イランに対する地上侵攻はあり得ないので、国内治安が確保されている限りイスラム革命体制は崩壊しないと思われる。米国の動きは、まさに、その弱点を突く作戦だ。
いずれ米国とイスラエルに亀裂
報道によれば、トランプ大統領はイランに対して無条件降伏を求めた由だが、これはイスラム革命体制を徹底抗戦に追いやるだけで外交的解決の窓を閉ざすものだ。空爆だけではイスラム革命体制は崩壊せず、イランのガソリン高騰戦略も国内治安体制崩壊戦略も時間が掛かる。こう考えると今回の衝突は数週間ではなく数カ月単位で続くと考えられる。
いずれ、トランプ大統領は、何とか面子をたもって衝突を終わらせる出口戦略を考える可能性があるが、イスラム革命体制が国家存続の脅威と見なすイスラルはあくまで体制崩壊を目指し、米国との間で亀裂が生じる可能性もある。
