今季はチームの成績低迷もあって、観客動員数が落ち込んでいる。NPBによれば、広島の今シーズン前半戦の平均観客動員数は2万6809人で、前年同期比の減少率が12球団ワーストの3.9%となった。
週刊誌報道直後の7月15日のデイリースポーツの記事は「マツダスタジアムに異変 2日連続で観衆2万人割れ→コロナ禍除けば12年ぶり 空席目立つスタンドに騒然『なぜここまで?』『プラチナチケットだったのに…』」との見出しで、異様な光景を伝えている。
球団は7月17日、後手に回る形で、矢野選手の出場選手登録を抹消。複数のメディアによれば、鈴木本部長は「ゾンビたばこを使用したという事実は確認できていない」とした上で、「売人と呼ばれる人と密室にいること自体が、強い疑念を抱く状況。私としてはそういう選手に1軍のグラウンドでプレーしてもらうのは抵抗がある」と説明したという。
7月30日には、矢野選手と、これまで名前が出ていなかった前川誠太選手が、ゾンビたばこに関して、広島県警の家宅捜索を受けた。朝日新聞が報じた際には、違法薬物などは見つかっていないというが、松田元オーナーは「ショックが大きい。申し訳ない気持ちでいっぱい」と涙ぐみながら謝罪した。
球界のクリーンなイメージに影響か
くしくも、南場オーナーが野球くじの導入に「透明性が鍵」と強調してから2週間後の出来事だった。
もちろん、違法な指定薬物と賭博行為には直接的な関係はない。しかし、一部の球団とはいえ、複数の現役選手が犯罪に手を染める人物との親しいつながりが露呈し、警察が動いた事実は重い。球団の対応には、危機意識の薄さがにじみでる。
03年に「暴力団等排除宣言」を採択しているNPBにとっても、現役選手が闇社会との関係性をにおわせる今回の事態は、クリーンな球界イメージが不可欠なくじ導入に向けて、最悪のタイミングとなったことは間違いないだろう。
一部のメディアでは、ゾンビたばこをめぐる一連の問題が広島の今秋のドラフト戦略などに影響するとの指摘が報じられている。事態はより深刻だ。くじ導入の議論という大事な時期だけに、全容が解明されないままでは、球界全体のイメージ悪化を招くリスクをはらんでいる。
