クロマグロの資源が増えても、漁獲枠が足りないために網に入っても逃がさなければならないといった報道が続いています。せっかく網に入ったのになぜ逃がす必要があるのか、安く販売してくれればよいのに、と考える方は少なくないかもしれません。
そのような状況下で、2026年7月8日~7月14日かけて、太平洋クロマグロ資源に関する国際会議(WCPFC 中西部まぐろ類委員会) が長崎で行われました。太平洋を囲む12の国と地域による国際会議です。日本はその会議で、27年の漁獲枠を大型30キロ以上で1万1869トンから25%増加させ、小型30キロ未満は5125トンから6%減少させるという提案をしていましたが、全会一致できず合意に至りませんでした。
理由については、メキシコが突如反対して合意に至らなかったなどと報道されていました。しかし実際には、メキシコは増枠には反対していません。
同国が主張していたのは、漁獲枠の配分比率を従来の西太平洋(日本他)と東太平洋(米国・メキシコ)とで82:18から将来的に70:30に近づけるという内容でした。メキシコは初年度から75:25にするように求めてきており、それに対し日本は変更が急激で沿岸漁業に受け入れされないと、応じられなかったのです。
また、この主張は突然出たものではなく、少なくとも24年から出ている内容でした。国益をかけた交渉であり、少しでも自国に有利にしたいと考えるのは普通のことなのです。
また「日本の増枠で価格が下がるから反論した」という報道も的を射ていません。メキシコからの輸出は76%が米国に対してで、日本へはわずか22%(2024年)でした。水産物の需要は世界で伸びており米国の輸入金額が世界一位です。
日本の相場が下がれば、価格が取れる米国はじめ他の市場に販売するだけのことです。日本市場が水産物の主要市場というのは、残念ながら多くの水産物ですでに過去の話です。
