2026年7月27日(月)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年7月27日

 巻き網漁船としては、漁獲量が減っても枠代としてお金が入ります。また、巻き網としての水揚げ量が減るので、供給が減れば単価が上がることも考えられます。沿岸漁業者としては、クロマグロを逃がすことで他の魚種も逃げてしまうことによる影響がなくなり、また逃がすという大変な作業を回避できます。

 今年(26年)6月の豊洲市場の価格(時事通信調べ)では、大型の中値で、沿岸漁業(延縄・釣り・定置)がキロ4389円に対して巻き網物はキロ3131円でした。値差はキロ1373円。巻き網は1回の水揚げ量が25トン(26年平均)と、供給がまとまることもあり、大半の売値はもっと安い可能性もあります。

 水揚げ時期により品質も価格も変わります。枠代に関しては十分検討が必要ですが、例えば6~7月の産卵期はキロ500円、8~9月700円、10月~翌5月はキロ1000円といった工夫ができないものかと考えます。

 もちろん、沿岸漁業で獲り放題になってしまってはいけないので、月ごとや海域毎にさらに枠を設けるといった、数量管理を組み合わせた手段もあった方がよいと思います。一方で大型の巻き網漁船には、漁をしないでも枠代として収入を得る仕組みとなります。

日本だけ足りていない沿岸漁業への配慮

 海の憲法と言われる国連海洋では「沿岸漁業社会の経済上のニーズを勘案しなければならない(要旨)」と定めています。また持続可能な開発目標(SDGS)目標14(海の豊かさを守ろう)の14.B(小文字)には「小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する」とあります。

 沿岸漁業が沖合漁業(巻き網・底曳き)に対して感情的によく思っていないことは、これまで漁業関係者から何度も聞いています。その多くは、沿岸漁業としては沖合で魚をたくさん獲ってしまうので、漁獲量が減ってしまっているというものです。この問題は、特定の漁業者ではなく、水産資源管理制度の不備に起因しています。

 こういった感情が起きてしまうのは、上記のように国際的な視点から見て沿岸漁業者への配慮を欠いてしまっているからと考えられます。

 日本の漁業は科学的根拠に基づく資源管理の遅れで、資源が減ってしまい世界でも稀にみる厳しい状況に立っています。国連食糧農業機関(FAO)の24年時点での34年の漁業生産量(漁業と養殖)予測では、100万トン以上の漁業生産量がある国の中で減少が予測されているのは日本のマイナス7.4%だけです。

 世界全体では10%増加する予測なので、いかに悲観的に見られているのかが分かります。こういう具体的な数字を出すことは、日本を下げるとか上げるとかいったことではありません。

 沿岸漁業への配慮は、地方創生を行う上でもとても重要です。行政が進めようとしている「国際的に見て遜色がない資源管理システムの導入」とともに、沿岸漁業で起きているクロマグロ漁の問題を解決していくべきではないでしょうか。 

 

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