2026年10月13日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月13日

3.リンゼイ・グラハム法案の発効について

 9月18日、故リンゼイ・グラハム議員が主導した、対ロシア制裁法案にトランプ大統領が署名し、ついに発効することになった。この法律は、ロシア産原油の購入上位5カ国に対し、最大100%の関税をかける権限などを大統領に与えるものであるが、そこに大統領の裁量の余地があることから、実際の効果を低く見る向きもあるが、それは一面的な見方だ。

 本法にはもう一つ、対露制裁の維持にとって実質的な意味をもつ重要な規定がある。バイデン前大統領の時代に、ロシアへの新規投資の全面禁止、露国債の取引禁止、中銀を含むロシアの主要金融機関に対する資産凍結、等の制裁が大統領令によって科されていたが、同法はこれら大統領令を法律化することで、大統領の一存では変更できないようにしたのである。

 法律となったからには、制裁免除などの変更は議会審議を経なければならなくなるが、本法はその場合にも、次の点につき書面をもって議会に証明することを求めている。

①当該免除が「米国の国益にかなう」こと(根拠とともに)。

②ロシアに対する措置については、ロシアとウクライナが和平合意に署名し、ロシアがウクライナ政府を弱体化、解体または転覆させるための全ての軍事的敵対行為・活動を停止したこと。

③ロシア以外の者への措置については、当該個人が制裁措置の根拠となった活動を完全に停止し、かつ同人が禁止されている活動を将来にわたって意図的に行わないという「信頼できる保証」があること。

④この「リンゼイ・グラハム法」が発効した翌9月19日、米国務省はウクライナに対する防空システムのアップグレード、兵器、関連機器・サービスを含む総額27億ドル規模の武器売却を承認した。

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