2026年4月12日(日)

勝負の分かれ目

2026年4月12日

 フィギュアスケートで五輪2連覇し、プロとして活動する羽生結弦さんが、製作総指揮も手掛ける単独公演「Yuzuru Hanyu “REALIVE” an ICE STORY project」(リアライブ)が4月11日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕し、メディア公開された。25年8月から「メンテナンス期間」を置いた羽生さんにとって、単独公演は25年2月9日以来、約1年2カ月ぶり。

「充電期間」を経て、羽生結弦は新しい演技を見せた(写真は2024年のファンタジーオンアイス、松尾/アフロスポーツ)

 この日を待ちわびた超満員の観客を前に、競技者時代とプロ転向後に演じてきた計7曲の名プログラムを熱演した。さらに、「ICE STORY」シリーズの新作となる第4弾「PREQUEL(プリクエル)」の開催を発表するサプライズもあり、会場は大歓声に包まれた。

「どう変わったか」

 5・4・4・2・1――。リンク上部の電光掲示板に映し出されたカウントダウンとともに、唯一無二の単独公演が戻ってきた。「リアライブ」の幕開けだ。

 第1部で演じた7つのプログラムは、羽生さんが「子」と呼ぶほどに深い愛情が込められた過去のプログラムの中でも、「ICE STORY」シリーズ(「GIFT」「Echoes of Life」「RE_PRAY」)から厳選した「強度の高い」曲だった。

 「僕が今まで『ICE STORY』の中で滑ってきたプログラムたちを、メンテナンスして新しくなってきた今の技術、身体を通して、今、どう変わったのか(を披露し、皆さんにみてもらいたい)」

 過去のプログラムをただ並べて滑るのではない。愛情の深さゆえに、プログラムを蘇らせることへの敬意をこめて、妥協を許すことなく、自らを追い込んできた。

 「今回は、初めて1曲目から2曲目の間が、1分ちょっとしかありませんでした。裏で(スケート)靴も脱がないで、早く着替えて、そのまま出る、みたいな新しいことにも挑みました。技術的にも新しいことをやっていたのですが、(観客の)皆さんの反応が、すごく気持ちよくて、大変だけど、頑張った甲斐があったなって思いました」

 1人ですべてを担う単独公演の重圧と疲労という代償は大きくても、そこからしか得ることができない会場の盛り上がりと自らの達成感……。羽生さんがショーの後の囲み取材で語った言葉からは、426日ぶりとなった単独公演の醍醐味をかみしめている様子が感じ取ることができた。


新着記事

»もっと見る