2025年12月5日(金)

勝負の分かれ目

2025年7月8日

 五輪2連覇を成し遂げたプロスケーター、羽生結弦さんの生まれ故郷の宮城県仙台市の「ゼビオアリーナ仙台」に国際規格の通年型リンクが新たに完成し、7月5日に開館記念イベントが行われた。「The First Skate」と銘打たれたアイスショーには、羽生さんをはじめとした仙台ゆかりのスケーターが出演し、立ち見も含めた約3400人の観客を魅了した。

「The First Skate」で演技した羽生結弦さん(産経新聞社)

「仙台からオリンピック金メダルの夢を」

 ショーはオープニングから大いに盛り上がった。地元のスケーターたちに続き、国際舞台で活躍をしてきた本郷理華さん、鈴木明子さん、本田武史さん、そして、この日も“主役”を担う羽生さんが登場。青を基調とした衣装で氷上に現れた羽生さんは「トゥーランドット」の曲に乗せ、大きく胸を反らし、スピードに乗ったイナバウアーで沸かせた。

 その後は、地元のスケーターたちが満席で埋まった大きな会場で精一杯の演技を披露し、プロのスケーターたちへバトンをつないでいく。そして、大トリで再びリンクへ登場したのが羽生さんだった。

 演技前の会場には、羽生さんが新リンク誕生を祝う言葉とともに、次世代のスケーターへのエールが流れた。

 「仙台市からオリンピックを夢見て、オリンピックの金メダルを夢見て頑張ってほしいです」

 桜の色をモチーフにしたような衣装に着替えた羽生さんがリンクに姿を見せると、会場が大きな拍手に包まれた。

 曲は、羽生さんが新たな門出にふさわしいプログラムとして選んだ「春よ、来い」だった。

 「始まりが一つのテーマでもあり、始まりの季節でもある春というイメージで選ばせていただきました。見に来てくださった方が、季節だけではなく、何かが始まったり、何かに進むことができたりしたらいいなという思いや祈りを込めて滑りました」

 ダイナミックなシングルのディレイドアクセル、ハイドロブレーディング、そしてイナバウアー……。繊細なピアノ曲に魅せ場をたっぷりとはめ込んだ圧巻の舞いだった。

 さらに、これだけでは終わらなかった。


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