特に、張又侠は、戦争経験を持つ貴重な軍人であるだけでなく、太子党派閥で父親同士も友人だった習近平と子供時代からの知り合いで、「兄貴」として習近平に直言する立場にある数少ない人物と目されていた。彼の失脚は習近平の「裸の王様」化を一層進めるものとされている。
習近平の手の中に
ただ、今回の空軍機の航空識別圏侵入停止は、その長さから言っても、完全に停止されたことから言っても、組織的な対応と見るのが至当であろう。また、昨年末から本年初めにかけて、東シナ海において数回にわたり2000隻におよぶ中国海上民兵船が、南北400キロメートル(km)に渡る直線の壁を形成したことが、衛星写真から明らかになっている。
これは、明らかに人民解放軍からの統一的指示による海洋封鎖能力の誇示だと思われる。要は、人民解放軍行動の「指示」は、結局習近平から出るのであり、軍内部の指揮命令系統が空席だらけでも一旦指示が出れば、軍はそれを「実施」する能力は保持していると見るべきだろう。
そうなると、益々、習近平本人への直接アクセスが重要になる。その意味で、日中首脳間のコミュニケーションができない現状は、できるだけ早く正常化されるべきだろう。

