なお、米国との関係で隙間風が吹く欧州との関係については、中国側は重視と強化を打ち出している。ミュンヘンでは初めて中独仏外相会談を開き、「中・欧はパートナーであってライバルではない」と訴え、欧州連合(EU)が合理的で現実的な対中政策をとるよう要求した由である。
ただ、対米輸出が制約され、東南アジアへの迂回輸出も高い相互関税で封じられた結果、中国の輸出は現在、欧州やアフリカに流れ込んでいる。中国がEUの対中政策を心配し注文を付けている背景には、欧州における中国のイメージが「輸出の洪水」という言葉をどの欧州諸国でも聞くように、余り芳しく無いことがあると思われる。
高市政権の課題
次に、高市政権の今後である。何といっても本丸は、具体的公約、特に消費税減税の実現だろう。英タイムズ紙が言うように「Speak clearly. Say nothing.」になってしまえば、物価対策の「実現」を期待した有権者の支持が離れるのも早い。過去の選挙大勝の際の例もある。
それで政権の体力を維持しながら、連立政権内部で意見の一致がある安全保障面での対応強化が、既に表明されている本年末までの戦略3文書改訂の流れの中で実現することを強く期待したい。防衛費の一層の増額とそのための財源の明確化、同志国との安全保障協力関係強化のために重要な防衛装備品輸出の一層の規制緩和は、是非推進すべきである。
まさにそれこそが、台湾有事発生を抑止し、中国に対して対日圧力を後悔させるための施策となる。一方、非核三原則、なかんずく、持ち込みに関する議論は、熟議と幅広い支持を必要とするものであり、いまだ必要性が現実化していない現状では、より慎重に進めるべきではないだろうか。

