米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が25日(日本時間26日)、本拠地でのエンゼルスとのオープン戦を前に、自身の通訳だった水原一平氏が違法賭博に関与していたとされる問題を巡って、公の場で初めて口を開いた。記者会見や囲み取材ではなく、声明という形を取り、手元のメモに目を通しつつ事実関係を説明した。
グラウンドの中で投打の「二刀流」として幾多の金字塔を打ち立ててきたスーパースターが直面した、グラウンドの外で起きた元通訳の裏切りによるスキャンダル。大谷選手にも説明責任を求める声に応じたこの日のメディア対応について、幾多の記者会見を実際に取材してきた元新聞記者の視点から解説する。
明確に違法行為を否定
すでに数多くのネット媒体でも声明の全文が掲載されているが、今回の場において、注目されていたことは大きく3点あったのではないか。
1点目で最も重要な点が、大谷選手自らが今回の違法賭博に関与していたのか――である。
大谷選手はこの点に関して、冒頭で「僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それを頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことも、もちろん全くありません」ときっぱりと否定した。
2点目には、水原氏の違法賭博を知った上で、胴元への送金に同意したのかという点である。水原氏が当初、大谷選手が借金を肩代わりしたと説明し、後に撤回したことで、大きな混乱を招いていた。大谷選手が沈黙を続ける中、大谷選手が違法賭博業者に送金をしていた場合、罪に問われる可能性が指摘されていた。
しかし、この点が大谷選手の口から明確に否定された。
大谷選手は「本当に数日前まで彼がそういうことをしていたということも全く知りませんでした。僕は、彼(水原氏)の借金返済にも、もちろん同意していません。ブックメーカーに対して、彼に送金してくれということも、許可したことももちろんありません」と明確に否定した上で、「結論からいうと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、みんなに噓をついていたということになります」と身の潔白を主張した。