☆なぜ絵師も作家も次々と“蔦重“のもとで花開いたのか?
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」主人公で一躍脚光!
「粋」で「いなせ」な男たちを続々と見出し江戸を熱狂に包んだ
仕掛人“蔦重”の魅力がこの1冊で丸わかり!
「眠れる商機はここにあり!」
江戸中期(安永・天明から文化・文政にかけて)の文化の担い手となった北斎、広重、歌麿、写楽……これらの傑作を数多く世に仕掛けたのが“蔦重”こと蔦屋重三郎(1750~1797)だ。
“蔦重”は浮世絵だけでなく、戯作にも目を向けたことでも知られる。狂歌の大家だった大田南畝と交友関係を結び、戯作者の山東京伝や、滝沢馬琴らを育てるなどし、現代でいえば偉才を発掘し、異分野を結びつけて、大ヒット作を生み出す「メディアミクス」の達人である。
その仕掛人としての類まれな手腕はいかに育まれ、どのように磨かれたのだろうか?
本書は大河ドラマ主人公で注目される“蔦重”の47年にわたる多才な人生を、
①時代を読み、「戯作・浮世絵ブーム」を創出した“トレンド・クリエーター”
②着想力抜群で、写楽に大首絵を画かせた企画者にして“敏腕プロデューサー”
③大衆の心を鷲づかんだ曲亭馬琴・歌麿・写楽らの“逸材発掘人&スポンサー”
④商魂逞しく、自身も宣伝材料にした“歩く広告塔”
⑤人脈づくりの天才で、「狂歌師+浮世絵師」を仕掛けた“コラボの達人”
⑥奇想天外なアイデアで人々を熱狂させた“出版界の革命児”
⑦新ジャンル「黄表紙」で旋風を巻き起こした“ヒットメーカー”
といった“7つの顔”から迫っていくもの。
「蔦重の妻の謎」や「墓碑銘の現在」にも言及した、蔦重の波乱万丈の生き様に迫った1冊です。
<本書の目次>
子 江戸の仕掛人 まじめなる口上
丑 遊郭案内仕掛人 「吉原細見」と蔦重
寅 文芸仕掛人 源内の多芸多才に痺れた蔦重
卯 偉才発掘仕掛人 山東京伝は文画二刀流
辰 新ジャンル仕掛人 黄表紙で大躍進
巳 催事仕掛人 空前絶後の狂歌ブームを演出
午 権力と戦う仕掛人 筆禍事件の波紋
未 浮世絵仕掛人 歌麿の光と影
申 大首絵仕掛人 写楽の謎と真実
酉 重版仕掛人 奇想天外な発想と商才
戌 未来仕掛人 〝出版革命児〟の死に至る病
亥 令和の似非仕掛人 「跋」に名を借りた〝逃げ口上〟
<まえがきより抜粋>
これから皆々様にお披露目いたしまするは、江戸中期を疾風怒涛の勢いで天馬のように駆け抜けた痛快無比な〝稀代の快男児〟の物語であります。
男の名は蔦屋重三郎。人呼んで〝蔦重〟、本屋の重三郎、縮めて〝本重〟と呼ぶ人もおりましたが、元禄文化の中心地となった上方風にいえば「ツタやん」でございますが、蔦重はその時代には生きておりません。井原西鶴や近松門左衛門らが活躍した元禄時代は1668年から1704年まででありますが、蔦重がこの世に生を受けたのは1750(寛延3)年正月7日。元禄より半世紀も後なのでございます。
(中略)
しかし、天は二物を与えませんで、蔦重の生涯は48年という短いものでありました。元号で申せば、明和、安永、天明、寛政、享和、文化、文政、天保と移り変わった8つの時代を早足に生き急いだのでございますが、その足跡たるや、驚き、桃ノ木、山椒の木どころではありません。
これぞまさしく縦横無尽の大活躍と申すべきで、今では電通もしっぽを巻く〝江戸文化の仕掛人〟との評価が定まっているのでございます。
そんな蔦重、東映映画で片岡千恵蔵や小林旭が七変化を演じた名探偵多羅尾伴内のセリフ風にいえば、「あるときはトレンド・クリエーター、あるときは敏腕プロデューサー、あるときは逸材発掘人兼スポンサー、またあるときは歩く広告塔、あるときはコラボの達人、またあるときは出版界の革命児、そしてまたあるときはヒットメーカー、しかしてその実態は、誠意と革命の人、蔦屋重三郎」でございまして、もっと具体的に申しますと、多羅尾伴内も顔負けの、〝7つの顔〟があったのでございます。
(以下略)
※内容は予告なく変更となる可能性がございます