中国で無差別殺傷事件の連鎖が止まらない。11月19日、湖南省で通学中の児童らに男が車で突っ込み、多数の児童が病院に搬送された。16日夜、江蘇省の職業専門学校で男(21歳)が学生らを刃物で切り付けて8人死亡、17人がケガをした。さらに、その5日前の11日には広東省珠海市のスポーツ施設で男(62歳)が車を暴走させて35人が死亡するという、まれにみる凄惨な事件があったばかりだった。
今年に入って以降、6月に江蘇省で日本人母子をかばった中国人女性が刺殺されたことを皮切りに、9月には深圳の日本人学校に通う男児が刺殺されたり、10月には上海のスーパーで刺傷事件が起きたりするなど、凶悪な事件が次から次へと続いている。これらの事件は「中国で情報統制されている」と日本メディアでは報道されているが、実際はどうなのだろうか。
事件発生後に報道はされる
筆者は事件が起きるたびに中国のSNSであるウェイボーやウィーチャットを頻繁に見ている。ウェイボーにはホット検索ランキングというのがあり、上位50位まで表示されるが、数分おきにその順位は入れ替わる。中国国内の重要事件やゴシップ、芸能ネタが多いが、日本で大事件が起きた際や、中国でも著名な日本人の歌手・俳優などが亡くなった際には、すぐに上位にランクインする。
日本でも、中国で事件が起きれば、ヤフーニュースのトピックスに載るなど関心が高いからだが、それと同じようなことが起きているのだ。ほかに、エンタメ専門のランキングや、ウェイボーを見ている本人へのおススメ記事なども表示されるようになっている。中国版インスタと言われる小紅書や、動画アプリの抖音(ドウイン)などでも情報は流れている。