2024年12月22日(日)

#財政危機と闘います

2024年10月31日

 衆院選で躍進し、政権運営のカギを握りつつある国民民主党の代表的な公約が「103万円の壁」の引き上げだ。税制上の扶養家族から外れて所得税が課税される年収の基準を103万円から178万円とするものである。政策協議の中で、その実現が現実味を帯びはじめているが、〝年収の壁〟は社会保険料に関しても、生じている。
 これに対しても国民民主党は対策を公約に掲げており、抜本的な改善を検討する必要がありそうだ。2023年10月18日に掲載した『間違いだらけの「年収の壁」対策 根本的な問題点とは?』を再掲する。

 暑かった。気象庁によれば、全国各地で、真夏日(最高気温30℃以上)や猛暑日(最高気温35℃以上)が連日観測され、東京都では7月6日から9月7日までの64日間真夏日が続いた。これは、2004年の40日を超えて過去最長とのことだ。

(Peshkova/panic_attack/gettyimages)

 猛暑日も22日と過去最多。平均気温も平年と比べて1.76℃高く、統計を取り始めてこれまで最も平均気温が高かった2010年の1.08℃を大きく上回り、過去126年で最も暑い夏になったとのことだ。

 しかし、10月に入って朝晩めっきり冷え込むようになり、夏から秋を飛び越えてひと足先に冬が訪れたかのように感じるのは筆者が人一倍寒がりのせいだろうか。

今日の1円と来年の1円は同じか

 それはさておき、読者は衣替えで先シーズンに着ていた服のポケットからお金が出てきた経験はないだろうか。元々は自分のお金なので得をした訳はないのだが、筆者は小躍りするぐらい喜んでしまう。

 しかし、今日の1円と来年の1円は同じなのだろうか。この問題に答えるには、割引現在価値を知る必要がある。

 「割引現在価値」とは、「将来支払うもしくは得られる金額を、今日支払うもしくは得られるとしたら、いくらになるか」を表すものである。

 例えば、いま金利が5%だとする。あなたは、来年、1000万円の郊外農村にある畑付きの一軒家を購入する計画を立てているものとする。その計画が実現すれば、あと数年後に迫った定年以降、念願だった晴耕雨読の日々を送れるのだ。これまでコツコツと貯めてきた資金はあと1年銀行に預けておけば目標の1000万円に達するはずだ。

 では、金利5%のもとで、来年1000万円銀行から受け取れるようにするためには、いくら預けておけばよいのだろうか。答えは、1000万円を1+金利(今の例では0.05)で割った約952万3809円となる。

 なぜなら、いま、この952万3809円を銀行に預けたとすると、来年受け取れる利子は、952万3809円×0.05=47万6191円になることが分かる。この利子を元本の952万3809円に足すと、952万3809円+47万6191円=10000万円なので、ちょうど1000万円となる。


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