2024年12月22日(日)

Wedge REPORT

2024年10月28日

 石破茂新内閣の信任を問う総選挙は予想通り連立与党の惨敗に終わった。派閥裏金問題などの不祥事、首相自身の不人気、党内亀裂という〝敗北の3条件〟すべてにあてはまる惨憺たる結果だった。

惨敗した石破内閣。自民党は出直すことができるのか(代表撮影/ロイター/アフロ)

 今後の焦点は、石破首相の進退、新たな連立協議の行方に移る。 世界的な〝非常時〟に、日本が内政にかまけていれば、世界での存在感はいっそう薄れる。「失われた30年」により、日本はもはや一流国ではなくなりつつあり、その転落を食い止めなければならない。

活発化する連立枠組みの協議

 今回の選挙結果について石破首相は「きわめて厳しい審判だ。政策実現に向けて最大限努力していく」と述べ、続投の意向を示した。

 首相は選挙前、「政権の信任を得る」と見えを切っていただけに、党内で責任論が噴出する可能性がある。石破退陣となれば、9月の総裁選の決選投票で敗れた高市早苗前経済安保担当相の存在が注目されようが、保守色の強さへのアレルギーは依然強く、〝即戦力〟として、経験豊富、政策通の林芳正官房長官が急浮上する可能性もささやかれている。

 連立協議は、議席を大幅に伸ばした国民民主党などを念頭に進むとみられるが、一方で、解散前に比べ50議席上積みした立憲民主党の野田佳彦代表も28日未明の会見で、「自公政権の継続を望まない他党との対話を開始したい」と政権奪還に意欲を見せており、自公か非自公の連立か、をめぐる綱引きが激化しよう。

 公明党の石井啓一代表の落選に伴う新執行部との協議も焦点となる。


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