世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月13日

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 ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、8月6日付の同紙に、「サウジはがけっぷちにいるのか」と題する論説を書いて、サウジが地域での紛争と国内での抗議活動に備え、戦時体制というべき体制をとっていることを指摘しています。

 すなわち、サウジはイランとの緊張と国内でのシーア派の反抗に直面し戦時内閣のようなものを結成した。バンダールの諜報長官任命のほか、軍・安全保障関係者は夏期休暇取りやめを命じられた。トルコがシリアによる戦闘機撃墜に報復すると考えられたからとされている。

 バンダールの任命はサウジが米、仏、トルコ、ヨルダンとともに、シリア反政府勢力を支持する秘密工作を強化している中で行われた。バンダールは、秘密工作家として国王・皇太子の信任が厚い。彼は1987年の中国とのミサイル取引を実現させた。また、長年にわたって、シリア・レバノンで秘密工作をしてきた。最近では、シリアのタラス将軍の政権離脱をアレンジした。そして、バンダールは20年間駐米大使を務め、CIAや歴代米政権と緊密な関係を持ってきた。

 サウジは、国内ではアル・カティフでのシーア派の抗議(サウジはイランが背後にあると考えている)を押さえ込むのに苦労している。7月はじめには死者二人が出て、抗議行動は激しくなっている。

 イランのメディアは最近バンダールを攻撃対象にしている。7月27日にイランのプレスTVが「サウド家政権の崩壊は以前よりも現実的である」との専門家インタビューを放映した。これはイランのプロパガンダであろうが、サウジが戦闘体制にある理由の説明になる、と解説しています。

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 サウジ情勢については、よくわからない点が多い中で、情報通のイグネイシャスが解説を書いてくれるのは有難いことであり、参考になります。

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