田部康喜のTV読本

2012年10月3日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 中年のサラリーマンである役所広司が、帰宅中の満員電車からみあげると、ダンス教室の窓辺にたたずむ草刈民代に気づく。途中下車をして、役所がダンスを習いに通うきっかけとなる。

 草刈の映画デビューとなった、「Sall we ダンス?」(1996年)の登場シーンである。世界的なバレリーナとして知られていた、草刈はこの作品によって、数々の映画賞を受賞した。

 ダンス教室の教師役を演じた、草刈の清楚な美貌とダンスシーンの美しい印象があってのことであろう。

 バレリーナの演技力は十分であったにしても、女優デビューは30歳代に入ってからであった。メガホンを握り、夫となった周防正行監督の慧眼に驚いた記憶が蘇る。

夫に離婚を切り出された主婦を演じる

 あれから16年、草刈が実年齢の主婦を演じる。NHK「眠れる森の熟女」である。9月4日にスタートし、9回の完結予定である。

 第3回の「王子様は、二重人格」と第4回「女の人生、やり直せますか?」を観た。

 草刈が演じる相沢千波は、銀行に入社し、夫と知り合って結婚、息子が生まれて幸せな生活を20年近く過ごしてきた。

 夫がある日突然、離婚を言い出す。ソーシャル・ネットワーク・サービスをきっかけに、交際が始まった中学校の同級生と再婚したいというのである。相手は女性誌の編集長である。

 そのショックからホテルのバーで酒によって、泥酔してしまった草刈が、介抱してくれた匿名の男性によって高級ホテルの掃除婦として働くようになる。その男性の名前も顔も知らない。草刈は、ホテルの総支配人の秘書を通じて、その男性に手紙を書くようになる。

 実はその男性とは、その高級ホテルのオーナーの長男である総支配人の高岡祐輔役の瀬戸康史である。第3回のタイトルの「王子」とは、瀬戸である。従業員からそう呼ばれている。草刈とは20歳近くも若い。瀬戸は、自分が雇い主であることを隠して、草刈に返事を書く。

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