WEDGE REPORT

2012年11月26日

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(2)肥前鳥島
中韓や水没危機が迫る

 「鳥島は以前より小さくなっている。長い目で見たら波による浸食は無視できない」。

肥前鳥島 (提供:五島市)

 波による浸食で島が海面の下に沈んでしまう恐れがあるといえば、沖ノ鳥島がよく知られる。だが、長崎県の五島列島から南西に60キロ離れた肥前鳥島でも同じ問題が起きているというのが、地元漁師の話だ。

 肥前鳥島は北岩、中岩、南岩の3つの島からなり、面積は187平方メートルしかなく、高さも16メートルほどの無人島だが、与那国島と同じ国境離島だ。この島があるかどうかで日本の排他的経済水域(EEZ)の面積も大きく変わってくる。

 五島列島の南西の海域は好漁場として知られる。「暖かい対馬海流が島の近くを通過するため、ヨコワ、カツオ、カンパチ、ヒラマサなど多くの魚が集まり、かつては宝石サンゴの漁も盛んだった」(地元の五島漁協富江支所・福田多久哉支所長)。

 この好漁場を求めて、日本の漁船だけでなく日中漁業協定や日韓漁業協定にもとづいて中韓両国の漁船もやってくる。だが、日本の領海内での操業までは認められていない。にもかかわらず、地元漁師によると、ハングルで「ここは韓国の領土」と記されたブイが肥前鳥島のすぐそばに浮かべられていたこともあるという。

 中国もこの島周辺の領海への侵入を繰り返している。長崎海上保安部は、昨年11月に立入検査のための停船命令に従わなかった中国漁船の船長を逮捕し、12月にも付近の領海内でサンゴの違法操業をした中国漁船を摘発した。中国や韓国の漁船による違法操業は常態化しており、逮捕されるのは氷山の一角だと地元の漁業関係者はいう。

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