山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2013年1月4日

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 シンガポールの中心部からマレーシア国境までは、30キロくらいだ。渋滞していなければ、30分から45分で到着する。シンガポール国境から橋一つ渡ると、ジョホールバルに着く。今やクアラルンプールに次ぐマレーシア第2の都市である。そのジョホールバルでは、シンガポールとの一体化を目指した大規模都市開発「イスカンダル計画」が進行している。

 今回、日本人の投資家グループに交じってイスカンダル計画の現場を参観した。ツアーのメンバーは私を含めて6人。マレーシア側に入ると、参加した女性経営者の一人は「バリ島に来たみたい」とはしゃいでいた。シンガポールの都会的な雰囲気とは全然違うリゾートの雰囲気なのである。

 イスカンダル計画では、シンガポールの2倍から3倍の面積が開発対象になっている。イスカンダル地域開発庁によると、従来の産業(石油化学、電子産業)だけでなく金融、教育分野の開発が計画されている。また、シンガポールに比べて土地や建物のコストが3分の1から5分の1なので、シンガポールからの移住や世界中から投資の対象になっている。

ジョホールバルで造成中のコンドミニアム。シンガポールが遠くに見える (撮影:筆者)

 2014年に完成するという豪華コンドミニアムの見学をしたが、既に8割が売約済みになっている。120平方メートルの3LDKコンドミニアムが1600万円から2000万円前後の価格帯で飛ぶように売れているという。

 シンガポールの3LDKコンドミニアムが1億円もするのに比べると、投資対象としては割安だから、お客の中には日本人も結構いるらしい。

 マレーシアへの出入国のチェックでは、車に乗ったままで手続きをしてくれるから便利である。マクドナルドのドライブスルーみたいな感じだが、待たされる時間は少ないので助かった。

 和やかにパスポートチェックをしてもらえたので「アパカバール」「テレマカセ」「サンパイジュンパラギ」と言ったらさらに愛想良く答えてもらえた。それぞれ「こんにちは」「ありがとう」「また会いましょう」という意味である。

 この国境を越えるときにふっと「デジャブ状態」になった。米・サンディエゴからメキシコのティファナに入った記憶がよみがえったのである。経済的に豊かな国から発展途上国に入るときには一種独特の雰囲気がある。それは経済的な落差というよりも何か人間臭さというか、その生活感に安らぎを感じるのである。過去に戻ったような郷愁にも似た癒やしを感じるのである。

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