経済の常識 VS 政策の非常識

2013年1月10日

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 野田前総理と安倍新総理の党首討論での約束でもあるので、自民党は、定数削減と選挙制度見直しに向けて統括本部を設置し、1月の通常国会で議論することにしているという。

 議員や識者の中には、「小選挙区では大量の議員が一挙に入れ替わり、政治が不安定になる。議員が代わっては、政治主導も発揮しにくく、外交力も弱まる。だから、中選挙区制を復活すべきだ」との意見もあるようだ。

 しかし、このような議論は、小選挙区制を採用した理由を忘れている。小選挙区制の利点は、政治の選択すべき争点を集約化し、その争点で勝った政党が安定多数を取って、その政策を実施しやすくなることだった。

 中選挙区制では、同じ政党から何人もの議員が出馬する。これは党首の力を弱める。小選挙区制だからこそ、一つの政党からは一人の候補者しか出馬できず、最終的に公認権を持つ党首の力が強まる。またここで政策を集約できる。

 何人も出馬するのでは、政党と言いながら政策が集約できない。また、同じ政党の議員が、当然ながら同じ政策を唱えるのでは、選挙民としてどちらに投票したら良いか分からなくなる。結果として、選挙民の政策への関心が低下し、議員の選挙民に対するサービス競争で選挙の勝敗が決まるようになってしまう。

中選挙区制の復活より
一票の格差是正を

 政策は官僚任せで、政治が何も選択しなくてもよいのなら、それでもよいが、そうはいかないから小選挙区にしたということではなかったか。90年代以降、日本経済は停滞し、国際的地位も低下し、中国の台頭は著しいという状況にある。政治が何も選択しなくてよいという状況にはない。

 小選挙区制は、投票率のわずかな変化が議席の大きな差異を生む。それが大きすぎるというのではあれば、比例の議席を増やすという手もある。議員が変わりすぎるというのであれば、選挙民には不評だった、小選挙区の候補が比例で復活する制度も悪くないことになる。

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