山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2013年2月1日

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 「中村はん、京都の花街とAKB48は同じシステムで運営されてんの知ったはりますか?」と京都高度技術研究所(ASTEM)の更田誠さんから聞かされて驚いた。

 ASTEMは、ICT、ライフサイエンス、ナノテクノロジー等科学技術の諸分野で産学連携による研究開発、事業化を進めるとともに、「目利き委員会」なるベンチャー企業の育成支援を運営しているユニークな研究所である。「京都市ベンチャー企業 目利き委員会」の審査委員には堀場雅夫氏、佐和隆光氏、辻理氏、永守重信氏などのお歴々が名を連ねており数々のベンチャー企業の支援促進を行ってきた。要するにベンチャー企業のアイデアにお墨付き(目利き)を与えて経営に箔をつけてきたのだ。いわば京都ブランドのお披露目をする旦那衆の集まりのような研究所である。

 350年も続く舞妓はんのビジネスモデルを、秋元康氏がAKB48のビジネスモデルに応用したとすれば凄いことだ。この祇園の伝統と合理的なビジネスモデルにも驚いたが、これを生かした秋元氏の発想力と商魂にも驚かされた。

 お茶屋遊びのシステム概要はこうだ。舞妓はんや芸妓衆は、自らが所属する置屋さんから派遣される。お座敷ごとのニーズに合わせて(舞妓や芸妓を)プロデュースするので、顧客満足度を追求できるという。

 AKBのメンバーも所属する事務所が複数あり、イベントごとにメンバーが編成される。

 京都西陣の旦那衆は、舞妓はんを「織り元」の最新ブランドのトップモデルとして舞台に立たせる。花街の踊りの会には祇園甲部の「都をどり」、宮川町の「京おどり」、上七軒の「北野をどり」、先斗町の「鴨川をどり」がある。

 西陣の織屋さんの最新作のお披露目にはそれぞれの舞台が内覧会になるという寸法である。つまり井上流の「都をどり」、若柳流の「京おどり」、花柳流の「北野をどり」、尾上流の「鴨川をどり」のセンターを取れば一番目立つ。だから、西陣の旦那衆は競って季節のプレタポルテ(高級既製服=ここでは着物)を贔屓の舞妓はんに着せて踊らせたのである。

 AKBのセンター争いと同じく、歌舞練場のお披露目の並び方は旦那衆の人気投票で決まる。さすがにジャンケンをするのはお座敷遊びだけで、センターを決めるのにジャンケンをするとは寡聞にして知らないが、耳にしたことはない。

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