世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年3月11日

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 The Coming Collapse of China(やがて中国の崩壊がはじまる)の著者として有名なゴードン・チャンが、Diplomat誌ウェブサイトに1月31日付で掲載された論説で、中国では、一般に、総書記の派閥は各派閥の中では最も強力であるが、習近平の派閥はそれほど強力ではないため、習近平は自分の地位を固めるために軍に依存する度合いが大きくなっている、と述べています。

 すなわち、習近平は新たに好戦的姿勢をとっている。ごく最近、政治局におけるスピーチの中で、領土や安全保障の問題について一切の妥協を排する強硬なスピーチを行った。これは、習が人民解放軍に対して与えた、「戦闘を計画し、戦い、勝つための準備をするように」という指示と一致する。

 これまでの中国の指導者たちは、一般的な言葉で、戦争準備を怠るな、との指示を出すのが普通だったが、習の使う言葉はより強いトーンであり、具体的である。しかも、習の用語はナショナリズムを煽るような言葉に包まれている。

 多くの専門家たちは、中国では依然として軍は党の堅固なコントロール下にある、との考え方をとっている。例えば彼らによれば、日本の領土や領海への挑発的侵入は、習自身がそれを指示している、と見る。また、北京の党指導部は軍人にタカ派的発言をさせておいて、必要になれば、これを封じることも出来る、と見ている。

 しかし、自分(チャン)の見方によれば、軍が党のコントロール下から外れる例がますます増えている。

 トップクラスの党指導者たちが、軍からの支持をとりつけるために軍に接近することがある。例えば、重慶の薄煕来は昨春、昆明にある11軍区本部を往訪している。それに対して、江沢民は、薄煕来事件に関連して、胡錦濤に会う前に、一部の軍首脳たちと会談している。

 建前として、中国では軍は党の支配下にあるが、実態では軍は政治や政策の面で、より大きな役割を持ちつつあるようだ。かつては、外交官たちの専属の領域にも、軍が口をはさむケースがふえているように見える。

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