オトナの教養 週末の一冊

2013年4月5日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 アフリカに対しこれまで多くの人が貧困や援助といったイメージを抱いていたのではないだろうか。しかし近年アフリカは、資源価格の高騰などにより消費爆発が起きているという。そんな現在のアフリカを知ることのできる本が『経済大陸アフリカ』(中公新書)だ。今回、この本の著者でJETROアジア経済研究所上席主任調査研究員を務める平野克己氏にアフリカの現在について話を聞いた。

――アフリカ研究に関わったのはいつ頃からでしょうか?

『経済大陸アフリカ』
(平野 克己、中公新書)

平野克己氏(以下平野氏):私はもともと大学院の修士課程で理論経済学を専攻していました。当時、経済学を研究する人たちの間では日本エコノミスト大賞とかいうものが話題になっていましたが、私はそういった賞に違和感を覚えていた。

 日本エコノミスト大賞とは、その年度の日本の経済成長率の予測数値が最も近かったエコノミストや研究所を表彰するというものだったのですが、1位と2位の差は0.05ポイントほどで、一般の人から見れば些細な差でしかありません。そんな差で誰も死んだりしない。当時の日本はバブル直前。経済学を学ぶ意味が見えなかったのです。

 経済学は「生産と消費から人間社会を斬る学問」ですが、生産も消費も滞って人が死んでしまうような状況の国があるのではないか、そういうことに興味を惹かれました。そこでアフリカへ行こうと思い立ち、バイトを始めて貯めたお金でスーダンまで行きました。3カ月過ごして帰ってくると、すっかりやせ細ってしまい周りの人には「よく生きて帰ってきたな」と(笑)。その後、ジンバブエの日本大使館で専門調査員として働きアフリカに関わるようになりました。

――そうすると約30年アフリカに関わっているわけですね。一概には言えないとは思いますが、アフリカの街の風景は30年前と比べかなり変わりましたか?

平野氏:約30年アフリカに関わり、そのうちの10年は現地に住んでいました。それ以外の時でも年に最低1回、多いときで年に3回はアフリカを訪れています。約30年前、最初にスーダンを訪れたとき、すでにアフリカでは貧困化が始まっており、経済成長も止まっていた。10年前まではどの国の首都に行っても新しいビルが建つでもなく、風景自体は変わらないまま、すべてが古くなって朽ちていくようでした。たとえば、ある程度のグレードのホテルがメンテナンスが悪くてボロボロになっていく。

 現在は、1980年頃から20年間止まっていた経済成長の分を取り戻すかのように、どこへ行っても新しいビルやホテルが建ち、「これがアフリカか」というくらい変わっています。

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