田部康喜のTV読本

2013年4月24日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 アイドルの社会的役割のひとつは、「すっかりおばさんになっちゃったなぁ」と感じさせて、「若さのはかなさ」を「ファンだった人たち」に教えることである。
2013年4月2日 - 1:35 Twitter 糸井重里

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の主人公の高校生・天野アキ(能年玲奈)の母・春子を演じる、小泉今日子を観ていると、糸井つぶやきが映像にかぶさるように聞こえてくる。

キーワードは「アイドル」

 ドラマの舞台は、三陸海岸の架空の町・岩手県北三陸市である。春子とアキの母娘は、実家の春子の母つまりアキの祖母である夏(宮本信子)が危篤、という偽の知らせを受け取って帰郷する。

 差出人は春子の幼馴染である北三陸駅の駅長である。海女のリーダーである夏が老いてきたので、かつて後継者と目されながら、高校生のときに東京に去った春子を呼び戻そうとした。観光振興のために、春子を海女にしたいと考えたのである。

 海女を目指すようになるのは、アキであった。東京に戻らずに母娘は夏の家に暮らすことになる。

 第3週「おら、友だちができた!」と第4週の「おら、ウニが獲りてぇ」は、アイドルという言葉がキーワードとなって、物語が綴られていく。

 アキが転校した高校に通う親友のユイ(橋本愛)は、上京してアイドルになることを夢見ている。町おこしのイベントとして開かれた、ミスコンテストで、ユイは優勝して、夏祭りの山車に乗って一躍地元のアイドルとなる。

 潮が速くなる夕方から海に潜ることを、夏がアキに禁じたのに、それを破って溺れかかったために、アキは海女になる練習からはずされる。ユイがミスコンで輝いたのをみて、アキは勇気づけられ、夏に頭を下げて許しを得る。

朝ドラの伝統的な持ち味

 三陸沿岸の旧家には、複雑に入り組んだ廊下や隠し部屋がある。アキが探索するように家のなかをめぐっていると、母の春子がかつて使っていた部屋が現れる。そこには、1980年代を彩ったアイドルたちの写真が壁に貼られている。春子役の小泉がアイドルだった時代である。

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