「中東とロシアが輸出し、欧州と中国が輸入」の構図
下図は、世界を中東、ロシア、欧州、中国、その他の5つの地域に分け、その地域間の化石燃料のネットの輸出入量を集計したものだ。この図から言えることは、世界のエネルギー供給とは、大まかにいって「中東とロシアが輸出し、欧州と中国が輸入し、その他の地域は(石油以外は)概ね自給自足している」ということだ。そして、地域間純輸出量に占めるロシア輸出の割合は約4割もあり、どこかの国がロシアからの輸入を拒否すれば、他の国がその分を輸入しなければ全体の供給システムが破綻してしまう。
世界のエネルギー供給は「中東・ロシア」の輸出
と「欧州・中国」の輸入により均衡している
つまり、現在の世界各国が進めている交渉は、ロシアからエネルギー資源を「直接買って良い国」と「買ってはいけない国」にリシャッフルすることで、従来の供給システムの再構築を目指していることになる。このことは、戦争の行方にかかわらず世界のエネルギー秩序の大転換となるだろう。
そして日本は、……
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