ルポ・少年院の子どもたち

2013年6月17日

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少年院では、少年たちが二度と犯罪に手を染めないように導くため、どのような教育が行われているのか。社会復帰を控えたある少年と、その担当法務教官にインタビューした。(前篇はこちら

 少年院に入った当初、B少年は一人部屋の戸を閉め誰とも関わろうとしなかった。その後20人程の寮生活が始まってからも極力人との関わりを避けていた。

 本来ここに来る少年たちは、約1カ月間一人ぼっちの鑑別所生活を送っているため、集団生活が始まると自ら周りと関わり合い、はしゃぎたくなるもののようだ。けれど、B少年は違った。両親の不仲、大人社会への不信感が心を頑なにしていた。また、自分の意志を周りに伝えることが苦手なため、限られた交友関係の中で過ごしてきたこともその要因だと考えられた。だから、当初は自分の気持ちを話すのが苦手で、未熟なコミュニケーション能力のために周りとぶつかっていた。

 「期間が長いからやる気が無かったんです。更生したい気持ちはあっても行動に移せなかった。自分が変わるってことは、自分を失うことだと思って抵抗があったんです。だから、前に進めませんでした」とB少年は言う。

1年半という長期処遇

 「水府学院」では、通常のプログラムは11.5カ月間である。だが、彼の場合は1年半という長期間の処遇が課されていた。まずは家庭裁判所が勧告する処遇についてまとめてみたい。

 少年院での処遇は、以下のように短期処遇と長期処遇に分けられ、さらに短期処遇は、一般短期処遇と特修短期処遇とに分けられる。私たちが継続取材をしている初等・中等少年院「水府学院」はこの長期処遇にあたる施設である。

1.一般短期処遇:早期改善の可能性が大きいため、短期間の継続的、集中的な指導と訓練により、その矯正と社会復帰を期待できる者(収容期間は原則として6月以内)。

2.特修短期処遇:1に記載の者に該当する者であって、非行の傾向がより進んでおらず、かつ、開放処遇に適するもの(収容期間は4月以内)。

3.長期処遇:短期処遇になじまない者(収容期間は原則として2年以内)

(平成24年版 犯罪白書から一部引用)

 少年院送致の決定に際し、家庭裁判所は短期処遇が適切であると判断された場合のみ、その旨の勧告を行い処遇区分が決定されるが、それ以外は2年以内の長期処遇となる。

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