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2013年7月29日

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田牧一郎 (たまき・いちろう)

田牧ファームズ代表

1952年福島県郡山市生まれ。田牧ファームズ代表。コメ生産者として郡山市で15年、カリフォルニアで20年、「国際競争力のあるコメつくり」をテーマにコメの生産・販売を行う。2012年からはウルグアイで事業を開始。世界の「おいしいごはん」マーケットに輸出を計画。日本のコメ産業も強くなれるはずと、日本でも試行錯誤中。

 長年、米・カリフォルニアでコメの生産に携わり、ウルグアイにも進出しましたが、昨年から日本でも活動をはじめています。日本のコメ産業には改善の余地があるからです。成長の「のびしろ」が大きいとも言えます。日本政府もTPP交渉参加を表明して、「農業を成長産業にする」とし、「コメの輸出も可能な強い産業にする」と意気込んでいます。

 これまで、日本のコメ産業は、700%以上とも言われる関税をかけられながらも、後継者の減少や耕作放棄地の増加など内部崩壊の道をたどってきました。現状を守るのみではなく輸出産業に育てようとの政府の意欲は、大事なことです。ただし、日本の農産物の輸出額(2012年)はたった2680億円(輸入額は約5.4兆円)、うちコメの輸出はわずか約7億円にすぎません。一足飛びに輸出ではなく、やるべきは大幅なコストダウンだと考えています。

直播栽培は
日本でもできる

 日本国内でも、大面積での農地再整備などの巨額な投資をせずに、現状に即した形でコメの低コスト生産を行う方法があります。まず、「高反収品種の作付け」です。日本ではコシヒカリを代表に、高価格の品種が多く栽培されてきましたが、たくさん収穫できる品種に替えることがポイントになります。面積当たりの生産コストは、反収(1反=10アールあたりの収穫量)による大きな差はありません。高反収の可能性のある品種を作付けして、面積当たりたくさん収穫することで、重量当たりの生産コストを下げます。実際に味も良くコシヒカリより40~50%反収の高い品種も、日本に存在します。

 次に「栽培方法を変える」ことです。苗を育てて、田に移して植える移植栽培から、水田に直接種を播く直播栽培に変えれば、移植に伴うほとんどのコストが削減できます。苗つくりには、種や床土の準備そして種播き作業から、芽を出した苗を簡易温室に運んで並べる作業もあります。苗を育てるための毎日の水管理と温度管理も時間のかかる作業です。育った苗を水田に運び田植え機に載せるまでの作業も伴います。これらの作業を直播栽培に切り替えることで、一切の経費と手間が省けます。

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