チャイナ・ウォッチャーの視点

2013年7月18日

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 中国の習近平国家主席は6月27日、北京で、韓国の朴槿恵大統領と会談し、北朝鮮の核保有を容認しない考えで一致。3月に国家主席に選出された習氏と、2月に就任した朴大統領の初の中韓首脳会談であり、両首脳は中韓の結束ぶりをアピールした。これに先立ち6月上旬には習氏が訪米、オバマ大統領と就任後初の米中首脳会談を行い、北朝鮮非核化への連携や新たな米中関係づくりで一致した。一方、安倍晋三首相は領有権争いや歴史問題で悪化した中韓両国との関係を修復できず、中韓新首脳との初会談のめどは立っていない。米中韓の連携が強化される中で“日本はずし”が進むとの懸念も出てきた。

ブルネイでの接触はなし

 「歴史問題には細心の注意を払わないと民族の魂を傷つける」

 韓国の尹炳世外相は7月1日、ブルネイで、岸田文雄外相と会談した際、厳しい表情で安倍政権の対応を批判した。日韓外相会談は約9カ月ぶり。両外相は日韓関係の重要性では一致したが、日韓首脳会談の具体的な日程合意には至らなかった。

 岸田外相は6月29日から7月2日まで、東南アジア諸国連合(ASEAN)関係会議に出席するためブルネイを訪問。ASEAN10カ国+日中韓の外相会議など公式行事に出席する一方、中韓との関係改善に向けて両国外相との接触を試みた。

 だが、中国の王毅外相とは、廊下での立ち話さえできなかった。岸田外相は、中韓の“日本はずし”の動きを阻止し、日米韓3国の連携を立て直す狙いだったが、不調に終わった。

中韓歴史共闘で日本をけん制

 歴代の韓国大統領は就任後、米国の次に日本を訪問し、首脳会談を行う慣例だった。しかし、朴大統領は米国訪問の後、日本を飛び越して中国を訪問した。

 韓国の聯合ニュースによると、朴大統領は習主席に対し、初代韓国総監を務めた伊藤博文を暗殺し死刑となった安重根の石碑を暗殺現場の中国黒竜江省のハルビン駅に建てたいと協力を要請した。

 また、訪問先の陝西省西安では、1940年代に日本の植民地支配に抵抗した朝鮮人らが拠点を置いた同地に記念碑を建てる許可を同省幹部に求めた。朴大統領は訪中により、日本の植民地支配や侵略を受けた“中韓歴史共闘”で日本を強くけん制した。

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