2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2013年7月23日

 今月4日に公示された第23回参議院選挙は21日に投開票が行われ、自民党65議席、公明党11議席で与党合わせて合計76議席を獲得し、2009年9月からの1年弱の期間を除き、実質的に2007年の第21回参議院議員選挙以来6年振りに衆参のねじれ状態が解消されることとなった。同時に、すべての常任委員長ポストを独占できる「安定多数」に必要な70議席を上回る大勝であった。

低調だった投票率
52.61%はワースト3の低さ

 一方で、投票率は前回57.92%から5.31%ポイント下回る52.61%と低調だった。歴史的に見ると、参院選で史上最低の投票率44.52%を記録した第17回選挙(平成7年7月23日実施)、それに次ぐ低さの第16回選挙(平成4年7月26日実施)の50.72%に続く、ワースト3位という有り様だった(図1)。

図1 参議院議員通常選挙投票率の推移 (地方区・選挙区)
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 また、都道府県別では沖縄県で上昇した以外46都道府県で低下(表1)、男女別でも男性53.50%(前回58.38%)、女性51.79%(前回57.49%)と、やはり前回より低下していることが分かる。

表1 都道府県別投票率
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 それでは投票率はなぜ低調だったのだろうか。ここでは投票行動に与える要因に分解して考えてみる。一般的には、(1)争点、(2)支持政党/支持候補者のあるなし、(3)政策の違い、(4)一票の価値、(5)投票のコスト、(6)投票に関する考え方、が挙げられる。それでは順に見ていこう。

 まず、(1)争点である。今回の争点は、(a)アベノミクスの是非、(b)憲法第96条改正、(c)原子力を含むエネルギー政策だったと考えられる。しかしながら、どれも、消費税率の導入や郵政民営化といったような国論を二分する大きな争点にはなりえず、国民の関心は今ひとつ盛り上がらなかった。


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